ヘレヴェッヘのバッハ「マニフィカト」

バッハ「マニフィカト」
ヘレヴェッヘ指揮シャペル・ロワイヤルコレギウム・ヴォカーレ(1990)
バーバラ・シュリック:ソプラノ
アニェス・メロン:ソプラノ
ジェラール・レーヌ:カウンターテノール
ハワード・クルック:テノール
ペーター・コーイ:バス
以前、ラミンの「マニフィカト」で、「いずれもっと音の良い録音を聴きたい」と書いたが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/02/08/050509
ヘレヴェッヘ盤を購入した。
ヘレヴェッヘらしい、透徹性に満ちた美しい演奏で、「マニフィカト」の演奏を全て聴いたわけではないのだが、これ1枚あれば、他にいらないのではないか、とまで思わせる。

これで、バッハサイクルも一段落。

ヴェルナーの バッハ「クリスマス・オラトリオ」

バッハ「クリスマス・オラトリオ」
フリッツ・ヴェルナー指揮 プフォルツハイム室内管弦楽団(1963)
ヘルムート・クレプス:Tn(福音史家)
バリー・マクダニエル:Br
アグネス・ギーベル:Sp
クラウディア・ヘルマン:At
ハイルブロン・ハインリヒ・シュッツ合唱団
ヴェルナーにしては、けっこう速めのテンポながら、全体にしっとりした演奏で、ソリストの好みからリヒター盤を採るが、こちらも名盤であろう。

キッス デイブ・クラーク・ファイブ ボビー・ライデル

以前どこかに書いたが、キッスと言うバンドは私の高校時代にリアルタイムで好きになったのだが、当時はボブ・エズリンプロデュースの「地獄の軍団」まで買って、それ以降は聴くなくなってしまった。
CD時代になってつい最近、化粧している時代までは揃えようと思ったので、聴き込み程度は初期の"Alive!"を含む5作とそれ以降はどうしても差がある。
"Alive II"は、ライブ部分はベースを合わせるためによく聴くが、スタジオ録音部分は、ほとんど聴いていなかった。
で、久々に聴いてみたが、ラストの曲の「エニイウェイ・ユー・ウォント・イット」のコンポーザーが"D.Clark"となっていて「誰だこれ?」と思って調べてみたら、オリジナルはデイブ・クラーク・ファイブだった。
そうなると、今度はファースト・アルバムに収録されている「キシン・タイム」も気になった。これもカバーで個人的には大好きなのだが、オリジナルのボビー・ライデルを知らなかった。これは、キッス・バージョンのほうがいいな。

 

 

 

 

 

「実朝を殺した男―『吾妻鏡』殺人事件」(2004)楠木誠一郎

前置きがちょっと長い。
以前、奥州藤原氏義経関連の本を集めていた時、この作者の「義経の野望―異説『藤原四代記(1992)を読んだ。いわゆる歴史IFのシミュレーション小説である。
その時はそのままになっていたのだが、最近、そういえば作者の事を知らないなあ、と思って調べたら1960年生まれでほぼ同世代、かなり多作な推理作家であることがわかったのだが、「日本史おもしろ推理―謎の殺人事件を追え」(1992)「謎の迷宮入り事件を解け―歴史おもしろ推理」(1993)が面白そうなので買ってみた。歴史上の殺人事件等の独自の視点からの推理を集めたものだが、その中でも鎌倉幕府三代将軍源実朝暗殺の黒幕が目から鱗だった。
そして、表題の作品は、その源実朝暗殺の黒幕の楠説を歴史推理として新たに展開したもの。
これがなかなかに面白かった。歴史推理のパターンとして現在の事件も並行して起こるのだが、驚愕のどんでん返しが待っていた。
また、作中の財前女史、歴史雑誌の若き編集者の酒見のコンビ(と二階堂警部)のキャラも立っている。このコンビでシリーズ化とかしてほしかった程だが、財前女史の専攻が源氏三代の中世史となると、この作品以外だとちょっと話が広がりようがないからしょうがない。しかし、惜しいな。