フォーレ:ピアノ曲全集を聴いてゆく

フォーレピアノ曲全集
ジャン=フィリップ・コラール(P)
(ブルーノ・リグット(P))
フォーレ室内楽全集の後は歌曲を聴いてゆくつもりだったが、室内楽のピアノ部分もやたら良かったので急遽ピアノ曲全集も購入してしまった。すべてジャン=フィリップ・コラールの演奏だが4手の曲が2曲あり、それがブルーノ・リグットとの共演。

フォーレピアノ曲は、例えば「夜想曲」13曲、「舟歌」11曲等、同一タイトルの曲が多いのだが、その同一タイトルの曲群が初期から後期にかけて作曲されている。
つまり、同一テーマの曲でフォーレの作風の変遷がわかるしくみになっている。

 

フォーレ 室内楽作品全集 その5

フォーレ
ピアノ五重奏曲第1番ニ短調
ピアノ五重奏曲第2番ハ短調
初見試奏曲(2台のチェロのための)

エベーヌ四重奏団
ミシェル・ダルベルト(P)
ニコラ・アンゲリッシュ(P)
ゴーティエ・カプソン(Vc)
ラファエル・メルラン(Vc)

フォーレ 室内楽作品全集 CD4には、ピアノ五重奏曲と2台のチェロのための室内楽が収録されている。
ピアノ五重奏曲第1番と初見試奏曲が中期、ピアノ五重奏曲第2番が後期の作品。ピアノ四重奏曲のあとに、さらに表現の幅を拡げるためにこの編成を選んだとの事。
第1番は、のびやかな弦楽にさざ波のようなピアノが絡む、非常に美しい曲で、個人的な好みから言えば、フォーレ室内楽の中で一番気にいった。
第2番は、枯淡の渋みが加わり、半音階を駆使したアグレッシブなスケルツォ、各声部が緻密に絡むアダージョが印象的。フォーレ室内楽随一の傑作の説があるのもうなずける。
フォーレ室内楽はこれで終わりだが、しばらくはヘビロテが続くであろう。

フォーレ 室内楽作品全集 その4

フォーレ
ピアノ四重奏曲第1番ハ短調
ピアノ四重奏曲第2番ト短調

ルノー・カプソン(Vn)
ジェラール・コセ(Va)
ゴーティエ・カプソン(Vc)
ミシェル・ダルベルト(P)
ニコラ・アンゲリッシュ(P)

フォーレ 室内楽作品全集 CD4には、ピアノ四重奏曲が収録されている。
第1番が初期、第2番が中期の作品。
ピアノ四重奏曲というジャンルには馴染みがなかったが
「ピアノ四重奏というそれほど一般的でない形態をフォーレが取り上げたのは、独自のものを作り出したいという思いと、室内楽ジャンルの刷新を目指してのことだったとされる」(ウィキペディア
という意欲的な作品らしい。
第1番は、ヴァイオリン・ソナタ第1番同様大変美しい曲だが、ヴァイオリン・ソナタ第1番が魅入られるような異世界の妖しさを持つのに比して、もっとダイナミックで親しみやすい。各楽器がほぼ対等で、たたみかけるような掛け合いが印象的。
第2番は「レクイエム」と同時期の作品で、より悲壮感が強く、第1番より各楽器の混然一体感が強い。
いずれにせよ、フォーレ室内楽のうち最もポピュラーなのがこの2曲である、という説があるらしいが、うなずける話である。

おんな城主直虎 井伊の女性の嫁ぎ先

当時の結婚は、政略結婚や人質の意味合いが強い。
ちょっと前に、直虎の母の実家である新野家の桜が、今川家家臣庵原朝昌(助右衛門)に人質として輿入した。庵原朝昌は、今川家滅亡後、武田家や豊臣家家臣戸田家に仕えた後井伊直政に仕える事になる。直政と衝突し出奔後も紆余曲折後に帰参、大坂夏の陣で武功をあげている。帰参を許された、ということだから、衝突したとはいえ直政にとっても得難い家臣だったことは想像に難くない。しかし、人質として桜をむかえていなかったら、井伊家仕官はなかったかもしれない。そう思うと、この婚姻が彼の運命の分かれ道だったのだろう。元ゴーカイブルーのイケメン、山田裕貴が演じていたが、再度の登場を望む。
また最近、直政の母であるしのが、今度は徳川家への人質として徳川家家臣松下清景に嫁ぐが、松下清景は後に井伊家の家老となる。今回顔出しがなかったが、ぜひどなたかに演じてもらいたい。
しかし「スウィングガールズ」から13年、貫地谷しほりもいい役者になったものだ。

フォーレ 室内楽作品全集 その3

フォーレ
ピアノ三重奏曲ニ短調
ルノー・カプソン(Vn)
ゴーティエ・カプソン(Vc)
ニコラ・アンゲリッシュ(P)

弦楽四重奏曲ホ短調
エベーヌ四重奏団
フォーレ 室内楽作品全集 CD3には、ピアノ三重奏曲弦楽四重奏曲が収録されている。
共に後期の作品。それも、ピアノ三重奏曲は死の前年、弦楽四重奏曲は死の年、フォーレ最後の2曲であり、まさに白鳥の歌である。
透徹性をもつ哀愁の純粋音楽(って書いていて自分でもよくわからんが)といったところか。
フォーレ室内楽は、ほぼピアノを含むのだが、最後の最後に純粋弦楽の弦楽四重奏曲を書いた、というのも何か感慨深いものがある。