ミュンシュのベルリオーズ「レクイエム」

ベルリオーズ レクイエム
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団(1959)
レオポルド・シモノー(T)
ニュー・イングランド音楽院合唱団(合唱指揮:ローナ・クック・デ・ヴァロン)

ミュンシュ指揮 バイエルン放送交響楽団(1967)
ペーター・シュライアー(T)
バイエルン放送合唱団(合唱指揮:ヴォルフガング・シューベルト

いよいよ、ベルリオーズのレクイエムであるが、聴くと宣言してから3ヵ月近く経ってしまった(汗)
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/06/26/045944
全部で80分から90分かかる大曲である。ベルリオーズをこうやってたくさん聴く前は、外面的効果を狙った作曲家という先入観があったのだが、徐々にそれだけではないという事に気づき始めたが、この曲を聴いてその思いが決定的になった。
ベルリオーズ
「一つの作品を残すだけで、私の全作品が破棄させられるとするならば、私は「死者のためのミサ曲(レクイエムの事)」を残してもらうように慈悲を請うだろう」
と語ったというのもむべなるかな。一聴してわかりやすいのは「幻想交響曲」だが、深みはこちらのほうが上である。

さて、ボストン交響盤は素朴な迫力に満ちていて、各曲の個性が際立つ演奏。バイエルン放送交響盤は、清澄な美しさに満ちて、全体をその清澄感で統一させたような演奏。
ベルリオーズ本来の意図はボストン交響盤の方だと思うが、バイエルン放送交響盤の美しさも捨てがたい。

ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」

ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1953)
カールトン・クーリー(Va)
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団(1958)
ウィリアム・プリムローズ(Va)

バイロンの詩に基づくストーリーを持つ、ヴィオラ独奏付きの交響曲である。
幻想交響曲のような派手さが少ない分、味わい深い作品になっている。
20世紀になって忘れられたこの曲をさかんに取り上げたというトスカニーニは、さすがに自家薬籠の安定感である。
ミュンシュ盤は、トスカニーニ盤に比して、若干激しめな演奏。
ミュンシュ盤のヴィオラ奏者プリムローズは

トスカニーニにこの曲を完璧に手の内に入れておくよう言われ、それ以降この曲の演奏の初期のスペシャリストとして活躍した。(ウィキペディアより)

とのことで、そういう因縁のある二人の演奏の両方が手元にある、というのも感慨深い。

歴史をテーマにした番組

昔から思うのだけれど
歴史をテーマにした番組は
歴史好きはそもそも好きなので、自分ですでにいろいろ調べている。
よって、すでに知っていることしかテレビでやらないので見ない。
歴史が好きでない人は、そもそも興味がないからこういうは番組を見ない。
視聴率を取れる要素がひとつもない。
番組を作っている人は、こういう事がわかってない。

トスカニーニのベルリオーズ「ロメオとジュリエット」

ベルリオーズ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1947/2/9 16)
グラディス・スウォザート(Ms)
ジョン・ガリス(T)
ニコラ・モスコーナ(Bs)
ピーター・ウィロウスキー合唱団

ベルリオーズ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」第2部
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1947/2/17)

というわけで、トスカニーニベルリオーズ「ロメオとジュリエット」であるが、その前にひとつ。
日本のウィキペディアではこの曲を7部構成としているが、海外のウィキペディアやこのCDのクレジットを見ると3部構成になっている。
すなわち、日本のウィキペディアで言うところの第1部がPART1 、第2部~第4部がPART2 、 第5部~第7部がPART3 となっている。このブログでは海外ウィキペディアに従う。
近い日付で全曲と第2部が録音されているが、共にカーネギー・ホールにおけるライブだが、全曲は放送用を前提とした録音である。「愛の場面」を含む第2部はオケのみで演奏可能なので、単独で演奏会で演奏されることもあるようだ。ただし、この録音では終曲の「マブのスケルツォ」が省略され「愛の場面」で終わる。
先日、この曲は長い、と書いたが(約90分強)実際に聴いてみると飽きを来させない展開で長さを感じさせない。その分俗っぽいと言えば俗っぽいのだが、そこを責めてはベルリオーズにとっては「角を矯めて牛を殺す」の類であろう。合唱と独唱付きなので、オペラやオラトリオの変形とも言えるし、プレ・ワーグナーといった趣きもあり、個人的には気に入った。いずれステレオでも欲しいところ。
第2部のみの方が若干テンポが速くその分ダイナミックさもやや強い気がする。

ベルリオーズ 幻想交響曲 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」より「愛の場面」

ベルリオーズ 幻想交響曲
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団(1954)
ベルリオーズ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」より「愛の場面」
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団(1961)
ベルリオーズのレクイエムを聴く前に、ベルリオーズの復習的に幻想交響曲を聴く。
以前聴いたのはミュンシュのパリ管盤だったが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20080407/p1
今回は、リヴィング・ステレオBOXで、「ロメオとジュリエット」が併録されている。
で、この「ロメオとジュリエット」の「愛の場面」がなかなかにいい。ワーグナーが絶賛したというのもむべなるかな。全曲を聴いてみたいと思ったら、トスカニーニBOXに入っていた。しかし、レクイエムもそうだが長いのだ、この曲は。
ベルリオーズの他の曲もリヴィング・ステレオBOX、トスカニーニBOXに入っているので、一通り聴いてみてからレクイエムへ行くかな。