クラシック

オーストリア辺境の旅 渡辺佐

以前、「大阪フィルハーモニー交響楽団の第1回ヨーロッパ演奏旅行についての本」と言う文を書いたのだが http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/11/26/081908 この度めでたく、その本のタイトルが「聖フロリアンの鐘」であり、現在は「オーストリア辺…

クリュイタンスのシューマン

シューマンマンフレッド序曲交響曲第3番クリュイタンス指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1957)交響曲第4番クリュイタンス指揮 ランス国立放送局管弦楽団(1950) というわけで http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2020/01/22/045737 久々のク…

ガーディナーのシューマン交響曲全集

不勉強であった!シューマンの交響曲第4番に初版が存在したとは!いや、作曲順は2番目なのに改訂があったために第4番となった事は知っていた。しかし、改定前の楽譜が残っていて、さらにその演奏の録音まであったとは!それがガーディナーのシューマン交…

レヴァインのシューマン交響曲全集 とクリュイタンスのシューマン

ふと以前購入していた、シューマン生誕200年記念エディションBOXって誰が交響曲を指揮していたっけ?と思って取り出してみたらレヴァインだった。ブログにも載っていないので、レヴァインはあまり好きではないので聴いていないのだと思う。それでも気…

トスカニーニのシューマン 交響曲第3番「ライン」、マンフレッド序曲

シューマン 交響曲第3番「ライン」トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1949)シューマン マンフレッド序曲トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1946) なんか急にウェーバーが聴きたくなって、家にあるものを探したらクライバーの「魔弾の射手」全曲フルトヴェングラ…

久々に見た「エクスカリバー」(1981)

久々に「エクスカリバー」(1981)を見て、見落としていた事に気付いた。パーシバルが持ち帰った聖杯でアーサーが復活するくだりは、やはりワーグナーの「パルジファル」そのものではないか!これでますます、以前に書いた「この作品はアーサー王伝説をワー…

シベリウス レンミンカイネン組曲の話、あれこれ

昨年末にトスカニーニの「トゥオネラの白鳥」(レンミンカイネン組曲)を聴いてから、レンミンカイネン組曲の聴き比べが始まってしまった。家にあるのは以下のとおり。オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団(1978)サラステ指揮 フィンランド放送交響…

朝比奈隆の「合唱付」1977年盤と1985年盤(と、スケルツォの話)

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付」朝比奈隆 指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団(1977) 年末だから第9というわけではない。以前「出回って無い模様」と書いた、朝比奈隆さんのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付」の1977年盤であるが http://hakuas…

朝比奈隆 ブルックナー 交響曲第7番 聖フローリアン完全盤

ブルックナー 交響曲第7番朝比奈隆 大阪フィルハーモニー交響楽団(1975) 2016年に、朝比奈隆さんのブルックナー 交響曲第7番(聖フローリアンライブ)が発売された時、まあ、既にもっているしお金も余裕がないし・・・とるスルーしていたのだが、実は今…

「ポホヨラの娘」と「サイコ」

シベ2の聴き直しをするつもりが、トスカニーニの「ポホヨラの娘」を聴いてから、この曲のはしごが始まってしまった。この曲は交響曲第2番と第3番の間にあたり、その後の交響詩が幾分自由というか実験的要素を含んでいるのに比して、しっかりした構成をも…

トスカニーニのシベリウス「ポホヨラの娘」「トゥオネラの白鳥」

シベリウス「ポホヨラの娘」(1944)「トゥオネラの白鳥」(1940)トスカニーニ指揮 NBC交響楽団また、前置きが長いです。カラヤンのシベ2を聴いて、今までのシベ2に対する価値観をいったん捨てて、虚心坦懐にシベ2をいろいろと聴き直そうと思った。手始…

オーマンディのシベリウス

理想のシベリウスを探す旅(いつから始まった?)も、とうとうオーマンディまで来てしまった。生前のシベリウスと親交があったということ、また以前エロイカが良かったので http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2014/02/04/043901 聴いてみることにした。 …

カラヤン フィルハーモニア管のシベリウス まとめ

今回購入した、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団のシベリウスの曲目と録音年は以下の通り。 交響曲第2番(1961)ステレオ交響曲第4番(1953)交響曲第5番(1961)ステレオ交響曲第6番(1955)交響曲第7番(1955)「フィンランディア」(1953)「タ…

ペトリ・サカリのシベリウスのまとめ

ペトリ・サカリのシベリウスは、交響曲第6番、第7番があまりにも良かったので期待したが、第5番で首をかしげた。その後も一応ほとんどの録音を聴いてみたのだが、2000年録音の交響曲第6番、第7番と他の演奏や響きが、別人のように違う。録音年をまとめ…

イスの都

最近「ホールマーク」の「エクスカリバー 聖剣伝説」を見直したりして エクスカリバー 聖剣伝説 完全版(1998) - 白亜森音楽雑感+ ほんの少し、ケルト・モード、アーサー王モードなのだが、だいぶ前に購入した中公新書「ケルト神話と中世騎士物語(田中仁…

ペトリ・サカリのシベリウス 交響曲第5番

シベリウス 交響曲第5番ペトリ・サカリ指揮 アイスランド交響楽団(1997)細かい音型の積み重ねの部分で妙なアクセントを付けているので音の流れが悪くなっている。彼のこだわりなのかもしれないが、大変疑問。ここにきて、どうした!ペトリ・サカリ!と思…

ペトリ・サカリのシベリウス交響曲全集 邦盤と洋盤の差異

前にも書いたが、今回購入したペトリ・サカリのシベリウス交響曲全集は邦盤であった。ネットで"ペトリ・サカリ" "シベリウス交響曲全集"で検索すると、今回購入した通販サイトと違うサイトで別のジャケットのシベリウス交響曲全集(洋盤)を発見したのだが、…

ペトリ・サカリのシベリウス 交響曲第6番

シベリウス 交響曲第6番ペトリ・サカリ指揮 アイスランド交響楽団(2000)テンポが実に丁度いい。今まで聴いてきた指揮者でも、ヴァンスカでさえテンポについては100%気に入った指揮者はいなかったが、この人は本当に丁度いい。テンポを上げて欲しくな…

ペトリ・サカリのシベリウス 交響曲第7番

シベリウス 交響曲第7番ペトリ・サカリ指揮 アイスランド交響楽団(2000) 以前「ネット上でもほとんど情報が無い」と書いたペトリ・サカリであるが、購入したシベリウス交響曲全集が日本盤であり、ペトリ・サカリの解説もあった。なんと!彼もヨルマ・パヌ…

ペトリ・サカリのシベリウスとカラヤンのシベリウス

以前、ヨルマ・パヌラのクレルヴォ交響曲の時に、Naxosレーベルについて「Naxosの理念は、無名でも実力のある演奏家を起用することで廉価で良質の演奏の録音を提供する事である。」という事を書いたが http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/09/29/0751…

大阪フィルハーモニー交響楽団の第1回ヨーロッパ演奏旅行についての本

ふと思い出したのだが、20代の頃、朝比奈隆さんの書かれた「楽は堂に満ちて」を所有していたのだが、かの聖フローリアン教会におけるブルックナー第7番の演奏があった大阪フィルハーモニー交響楽団の第1回ヨーロッパ演奏旅行について書かれた本も持ってい…

シベリウスのクレルヴォ的作品群(勝手に命名)

以前にシベリウスの「カレリア序曲」がクレルヴォ交響曲の第1楽章に雰囲気が似ている、と書いたことがあったが http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/10/30/045400 先日久々に、ヤルヴィのシベリウス「春の歌」を聴いて、息の長い旋律や哀愁感がやは…

サラステのシベリウス「夜の騎行と日の出」

シベリウス「夜の騎行と日の出」ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1988) 聴き始めてびっくりした。やたらとテンポが速い。以前「一気呵成のドラマティックな演奏」と書いた http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/06/25/045501 …

サラステのシベリウス 交響曲第1番

シベリウス 交響曲第1番ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1987) シベリウスの交響曲第1番は、交響詩的な側面があるとは巷間で言われている事だし、そういった前提の音作りをする指揮者が多いのも事実である。しかし、サラステは実…

サラステのシベリウス 「フィンランディア」(と、ヴァンスカ新旧盤)

シベリウス 「フィンランディア」ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1987) サラステの「フィンランディア」には、通俗的でない演奏を期待したのだが、お祭り騒ぎになってしまっていて残念。今回いろいろ聴きなおしたが、やはりヴァン…

サラステのシベリウス 交響曲第4番

シベリウス 交響曲第4番ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1988)一般に陰鬱と言われる第4番であるが、サラステは柔和かつ精緻な音作りでほとんど陰鬱さを感じさせない演奏で、この第4番が深い美しさに満ちた曲であることを教えてく…

シベリウス 組曲「ベルシャザール王の饗宴」

シベリウス 組曲「ベルシャザール王の饗宴」ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1989)初めて聴くシベリウスの曲である。最初「ベルシャザール王って誰?」と思ったが、なんとそっち方面(笑)では有名な、旧約聖書のダニエル書に登場す…

サラステのクレルヴォ交響曲の話

前置きが長くなるが、久々にヴァンスカ指揮のシベリウスの劇音楽「テンペスト」を聴いて http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/07/11/050444 メゾ・ソプラノのリリ・パーシキヴィが、メゾながら高音が私の好きなソプラノ、ヤノヴィッツを思わせる雰囲…

サラステのシベリウス 交響曲第3番

シベリウス 交響曲第3番ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1989)細かいニュアンス付けと自然なダイナミズムが同居する驚異的な演奏だが、若干テンポが速くせわしなくなってしまった。ここにきて初めてサラステの「気負った」演奏に出…

ヴァンスカの変化

以前、ヴァンスカのクレルヴォ交響曲の新録音について書いたがhttp://hakuasin.hatenablog.com/entry/2019/10/07/060046その後、再度ミネソタ管弦楽団とのシベリウス交響曲全集を聴きなおして感じたことを書きそびれていた。オスモ・ヴァンスカは、2003年か…