ソウル

スリー・ディグリーズとジョルジオ・モロダー

久々に聞いたCDの解説を見てびっくり、というのはこのブログのあるあるなのだが(笑)スリー・ディグリーズの「にがい涙」や日本語版「天使のささやき」を収録している「世界の恋人」の解説に 78年にはアリオラに移籍。ジョルジオ・モロダーのプロデュース…

続 P.P.アーノルドの話

先日、ベストがお高い、と書いたP.P.アーノルドであるが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/08/05/060252 実は、若い頃の彼女の正式なアルバムは2枚しかなく、現在出ているのは、それのどちらかか、それらから抽出したものに未発表音源とかの付加…

マーヴィン・ゲイの「遠い恋人」

大分前に、ライブ盤のマーヴィン・ゲイの「遠い恋人」について、以下のように書いた。 https://hakuasin.hatenablog.com/entry/20060831/p1 たぶん今現在、マーヴィン・ゲイで私の一番好きな曲である「遠い恋人」は、スタジオ盤はいきなりはじまるのだが、ラ…

アレサ・フランクリンの伝記映画

最近ちょくちょく書いているアレサ・フランクリンであるが、彼女の伝記映画「リスペクト」というのが2021年に公開されていたとは知らなかった。何せ、今年ブルースブラザースの映画を思い出すまで、彼女の事をすっかり忘れていたので、ニュースにはなったん…

P.P.アーノルドの話

ELPを組む前のキース・エマーソンは、ナイスというバンドを組んでいたが、そもそもそのナイス結成のきっかけが、P.P.アーノルドなる歌手のバックバンドからだ、というのは、昔なんかで読んだ記憶があったが、そのP.P.アーノルドって誰なんだろうとか当時…

アレサ・フランクリン「明日に架ける橋」聴き比べ

アレサ・フランクリンの5CDセットであるが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/07/12/064713 実は、他に聴き込みたいアーティストが出来て、未だに「シンク」以外聴けてない。そんな中「アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト」に「明日…

アレサ・フランクリン「シンク」聴き比べ

というわけで https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/06/24/164145 https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/07/12/064713 まずはお目当てである「シンク」を聴き比べたが、いろいろとびっくりした。オリジナルはヴァースの後のサビ(だと思ってい…

アレサ・フランクリン5CDセット

先日、ブルース・ブラザーズのアレサ・フランクリンについて書いたのだが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/06/24/164145 「シンク」のオリジナル盤を聴きたくなって、収録されている「アレサ・ナウ」を買おうかといろいろ調べたら「アレサ・ナウ…

不明を恥じる アレサ・フランクリンの巻

当ブログでは時折「不明を恥じる」シリーズを載せているのだが(って別にシリーズのつもりでは無かったのだが)昔ほどではないが、ソウル系はまだまだ知識が少ない。ふとブルース・ブラザーズの映画でアレサ・フランクリンの歌が印象的だったのを思い出した…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「フレッシュ」"Fresh"(1973)

前作「暴動」から2年、麻薬中毒も克服してスライが万全の体制ではなったアルバムである。以前、渋谷洋一の「レコード・ブック」にこのアルバムが載っていた、と書いたが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/01/04/081905 1stから順に聴いてきて、…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「暴動」"There's a Riot Goin' On"(1971)

契約上の締め切りに追われ、麻薬に苦しみながらスライがスタジオにこもり、ほぼ一人でレコーディングした作品。各メンバーやゲスト(なんと、ビリー・プレストンもいる!)が必要に応じて個別に召集されオーバーダブをしている。本来の担当楽器でない楽器を…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「グレイテスト・ヒッツ」"Greatest Hits"(1970)

このアルバムはベスト盤だから通常であればスルーしてもいいのだが、シングルから収録されている曲が、例の5cd box のボーナストラックともかぶらないし、かなりの重要曲であるとのネット情報があったので聴く。ちなみにシングルから3曲、2ndから1曲、3rd…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「スタンド!」"Stand!"(1969)

3rd方式の完成形であろう、と前回書いたスライ&ザ・ファミリー・ストーンの4thアルバムであるが、そのとおりだった。曲の完成度はさらに高くなり、1曲めでシングルカットもされた「スタンド!」の転調なぞ絶妙である。前作で途中でフェイドアウトで物足りな…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「ライフ」"Life"(1968)

2ndのヒットを受けて、早くも同年に発売されたスライ&ザ・ファミリー・ストーンの3rdアルバムである。印象としては、2ndの勢い一辺倒と1stのヴァラエティに富んだ曲構成との融合が図られている感じ。完成度は高いが売り上げは良くなかったらしい。たぶん聴衆…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」アルバムとシングルの違い

本来であれば、3rdアルバムを聴くべきなのだが、2ndでウッドストックの事も書いたので、我慢できなくなったので、フライングで4thアルバムに収録されているこの曲とボーナストラックに収録されているシングル・バージョンを聴いてしまう。ウッドストックの演…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」"ADance to the Music"(1968)

シングル曲「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」の大ヒットを受けて作成されたスライ&ザ・ファミリー・ストーンの2ndアルバムである。1stについて「良質なポップ・ソウル」と書いたが、実際は実にヴァラエティに富んでおり、曲の凝り方や完成度は高かった。こ…

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「新しい世界」"A Whole New Thing"(1967)(と、マーラー)

始めは、ウッドストックのライブしか知らないのでスタジオ録音を聴いてみたい、という軽い気持ちだったのが、図らずも1枚目から聴くことになったスライ&ザ・ファミリー・ストーンであるが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/01/04/081905 この1…

私の「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」顛末記

以前「スライ&ザ・ファミリー・ストーンをちゃんと聴きたくなったなあ。」と書いたが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2021/10/29/074356 上記で書いた、アンディ・ニューマークが初参加した「フレッシュ」(1973)が、渋谷陽一の「レコード・ブック…

マイルス・デイヴィスからスライ&ザ・ファミリー・ストーン、そしてアンディ・ニューマーク

マイルス・デイヴィスは、"In a Silent Way","Bitches Brew'(1969)と"Agharta","Pangaea"(1975)を持っているのだが、ふと、その間はどうだんだろうと気になって調べたら"Live=Evil"(1970,1971)という"In a Silent Way"の系統のライブ、"On the Corner"…

ドナ・サマー「クレヨン」(2008)

ドナ・サマーの公式アルバムも、これでとうとう最後になってしまった。発売はソニーブルゴーニュ、プロデュースは曲ごとに違うパターン。録音に2年をかけただけあって全ての曲が非常に完成度が高く、終わった後に「あれ?もう終わり?この倍は聴きたかった…

ドナ・サマー「ライブ&モア・アンコール!」(1999)

「ライブ・アンド・モア」に続くドナ・サマー2枚目のライブ・アルバム。VH-1チャンネルのために収録された同名映像からヒット曲を集め、さらにスタジオ録音の2曲を加えてある。この映像は、以前からちょこちょこと見ていたのだが、正直複雑な心境だった。…

ドナ・サマー「クリスマス・スピリット」(1994)

クリスマス・ソング、クリスマス・キャロル、クリスマス・スタンダード、そしてオリジナル・ソングからなるドナ・サマーのクリスマス・アルバムである。プロデュースは「情熱物語」「キャッツ・ウィズアウト・クロウズ」のマイケル・オマーティアン、発売は…

ドナ・サマー「ミステイクン・アイデンティティー」(1991)

キース・ダイアモンドのプロデュースにより、アトランティックとワーナー・ブラザーズから発売された。本当に当時の洋楽事情(特にソウル系)には疎いのだけれど、ニュージャックスウィング(NJS)というジャンルが大流行で、このアルバムはそれに全面的に乗…

ドナ・サマー「アナザー・プレイス・アンド・タイム」(1989)

プロデュースはゲフィンが指名した(ユーロビートの創始者で、小室哲哉に影響を与えたといわれる)ストック・エイトキン・ウォーターマン(イギリスの音楽プロデューサーチーム)だが、結局ゲフィンはレコーディングされたものにOKを出さなかったのみなら…

ドナ・サマー「オール・システムズ・ゴー」(1987)

前作から3年のインターバルをおいて発売されたこのアルバムが、結果的にはゲフィン・レコード最後のアルバムとなった。(なぜ「結果的」かというのは次作の時に書く)プロデュースは「トップガン」の音楽で知られるハロルド・フォルターメイヤー(ちなみに…

ドナ・サマー「キャッツ・ウィズアウト・クロウズ」(1984)

再びゲフィン・レコード戻ってからの第2弾である。プロデュースは「情熱物語」に続いてマイケル・オマーティアンである。コケティッシュなジャケットが印象的。(個人的に滝沢カレンはドナ・サマーに似ているところがある、と思うのだが、このジャケットな…

ドナ・サマー「情熱物語」(1983)

ドナ・サマー「情熱物語」(1983)原題は"She Works Hard for the Money"で「彼女はお金の為に一生懸命働く」だから、さすがにこのままの邦題は無理だったか。制作前にドナは、モロダーと再会し、何曲か提示されたが、当時のドナが納得する感じではなかった…

ドナ・サマー「恋の魔法使い」(1982)

原題は"Donna Summer"であり、本来ならドナ・サマー初のセルフ・タイトル・アルバムなのだが、日本で売るにはそれでは弱いと思ったのかな?それでも「恋の魔法使い」ってどこから来たんだ?ああ、"Love Is In Control (Finger On The Trigger)"の邦題が「恋…

ドナ・サマー「アイム・ア・レインボー」(発売 1996 レコーディング 1981)

発売は1996年だが、レコーディングは「ワンダラー」の翌年の1981年ということで、ここで採り上げる。「ワンダラー」発売後、サマー、モロダー、ベロッテのトリオは次作のレコーディング(またもやアナログ2枚組)を始めていた。しかし、その現場にゲフィン…

ドナ・サマー「ワンダラー」(1980)

ドナ・サマー(&モロダー&ベロッテチーム)の、カサブランカから設立したてのゲフィン・レコードへの移籍後第1弾である。80年代に入って音楽状況の変化に合わせたのか、カサブランカ時代のディスコ・クイーンのイメージの払拭をはかったのか、ディスコに…