モンゴメリ・赤毛のアン

ルーシーの約束

モンゴメリ ニュー・モンゴメリ・ブックスの1冊。「赤毛のアン」発表前から「アンの幸福」発表前あたりに雑誌で発表された短編をまとめたもの。(1899〜1935) 「エミリーの夫」では、多少わがままに育った娘が、嫁ぎ先の姑と折り合いが悪く、夫への愛情も…

アンの村の日々(正・続)

モンゴメリ ニュー・モンゴメリ・ブックスである。 この短編集については以前にちらっと書いた(こちら) モンゴメリの死後未発表原稿が発見されて編まれた作品群だけあって、単にブライス家が出てきて懐かしい、といった言葉では片付けられない、一筋縄では…

時の果実

モンゴメリ 「時の扉の向こうには」の続編である。 「あのひとの夢のために」という作品がある。 念願の女性にプロポーズした男性が条件付で承諾を得る。その条件とは16年前に別れその後西部で事故死した元の彼氏への思いは無くせないということ。当時彼女の…

3カ月トピック英会話〜『赤毛のアン』への旅・原書で親しむAnneの世界

プリンス・エドワード島へ本土から橋がかかったという。複雑な心境。

続アンの仲間たち

モンゴメリ こちらは前作より短い作品が多い。たぶん雑誌掲載時の枚数制限によるものと思われる。短くなるとご都合主義が目立つ結果になってしまうが、それでもいいのだ(笑) 「ミス・サリーのお客」という作品の前半は「アンの青春」でアンとダイアナがミ…

時の扉の向こうには

モンゴメリ 「ニュー・モンゴメリ・ブックス」からの1冊。これも続編がある。 こちらは、長い時の流れを間にはさむ物語が集められていて、「アンの友達」や「アンをめぐる人々」にも同一テーマの作品が多いので印象が近い。しかし、「アンの友達」や「アン…

アンの仲間たち

モンゴメリ 篠崎書林から発行されている、いわゆる「ニュー・モンゴメリ・ブックス」は以前ちらっと書いた(こちら) 「アンの村の日々」等を含み、どうしてもそろえたいのだが、ある短編集の正、続が片方だけ入手不可だったりして買うのを躊躇していた。し…

3カ月トピック英会話〜『赤毛のアン』への旅・原書で親しむAnneの世界

今年1月に「ようこそ!赤毛のアンの世界へ」と言う番組があり、それが4月からはじまる番組の番宣であることは以前書いた(こちら) しかし、すっかり忘れていたために第1回を見逃してしまったが、昨日1週間遅れの再放送を録画する事ができて、ほっと一安…

青い城(The Blue Castle:1926)

モンゴメリ 「赤毛のアン」シリーズ以外のモンゴメリの作品は意識的、無意識的に避ける傾向がある。身勝手だがあの世界を崩されたくないのかもしれない。しかしこの作品は大人向けの作品とのことで、ネット上の評判も(ある意味)大変いい。ので、ユーズドで…

アンの娘リラ

モンゴメリー いわゆる「赤毛のアン・シリーズ」で最も好きなのは「アンの夢の家」とこの「アンの娘リラ」であることは以前も書いた。(こちら) 久々に読み返したが、やはり面白い。第一次世界大戦によって他のアン・シリーズには無い緊迫感とリアリズムが…

翻訳ものの原語での言い回し

翻訳ものの小説を読んでいると、たまに「この部分は原語ではどんな言い回しなのだろう」と思う事がある。 モンゴメリの「アンをめぐる人々」の「ベティの教育」というのは、かつての思い人の娘の教育係を買って出た裕福な中年男がその娘と結ばれるという、あ…

完全版・赤毛のアン(1908)

ルーシー・モード・モンゴメリ 翻訳:山本史郎(1999) その1 今までちらちら話に出ている完全版であるが、とりあえず本文では無く、解説と付録を読む。 解説(マーガレット・アン・ドゥーデイ)には、アンがアヴォンリーへやってくることにより、旧態然た…

赤毛のアンに隠されたシェイクスピア(2001)

松本侑子 以前から気になっていたが、やっと購入、結果的には今読んで正解だった。表題はシェイクスピアだが、英米、スコットランドもちゃんと言及されている。松本さんはアンからアーサー王、ケルトとたどって行くが、私はアンのファンでありながらケルト系…

「赤毛のアン」ついてのある疑問

昔からちょっと気になる事がある。ステラ・メイナードとプリシラ・グラントというアンのクイーン学院の同級生である。このふたりの同級生についての描写は極端に少なく、物語の中での必然性を全く感じない。彼女たちがいなくても「赤毛のアン」の物語には何…

「「赤毛のアン」の秘密」(2004)

小倉千加子 この本を最初に読んだ時はけっこうショックを受けたものだが、いまはかなり客観的に見られると思う。 冒頭著者はプリンス・エドワード島を訪れ「この島に来て、目に見える物すべてに、退屈を超えて憂鬱を覚えている」と語り、当地で日本人観光客…

赤毛のアンの最初の映画化

赤毛のアンは1934年に一度映画化されている。ようつべで探したが見つからなかった。 こちらは同じ役者がアンを演じた(なぜか途中をとばして時系列的に4番目の)「アンの幸福」"Anne of Windy Poplars" (アメリカでのタイトル)(1940)の冒頭シーン。アンは…

アンの村の日々

ルーシー・モード・モンゴメリ この本は昔から気になっているのだが未読である。なかなか書店に出回らないし、文庫にもならない。 (詳細はウィキペディアでどうぞ) ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%9D%91%E3%81%AE%E6%97%A5%E…

赤毛のアン(1908)

ルーシー・モード・モンゴメリ 翻訳:松本侑子(1993) 久々に読み返している。 松本侑子訳で読むと、村岡花子訳は今でも読み継がれている名訳なのだが(若干の省略あり)やはり「赤毛のアン」を当時の日本の少女に受け入れやすいような雰囲気を意図的に作っ…

ようこそ!赤毛のアンの世界へ(2008/1/3 NHK放送)

タイトルだけ見たらどんな内容かわからないのだが、「赤毛のアン」と聞いたらチェックだけはせねばなるまいと奥さんに録画を頼んでいたものをやっと見る。結論から言えば4月からはじまる新番組「3カ月トピック英会話〜『赤毛のアン』への旅・原書で親しむA…

世界名作劇場「赤毛のアン」完結版(本放送:1979)

自称「赤毛のアン」ファンである私が、実はこの作品はちゃんと見たことが無いのだ。(冒頭部のみレンタルで見た記憶はあるが)高畑さん演出、宮崎さん画面構成で参加(カリ城のため途中降板)なので、普通なら真っ先に見るはずだが、やはり原作に対する思い…

「赤毛のアン」シリーズ、登場人物のその後の年齢と世界史との対応表

仮に「赤毛のアン」シリーズが書き続けられたら、時代背景はどうなっていただろう、と思いつき、登場人物のその後の年齢と世界史との対応表を作ってみた。で、戦争との関連は以下の通り。第二次世界大戦勃発時で、ギルバート76歳、アン73歳、長男ジェム46歳…

「赤毛のアン」(1985)

久々に見る。日本公開当時は劇場用に編集されたものだったが、本来はTVシリーズなので3時間以上ある。今回初めて吹き替えを試してみる。マリラとマシュウがフネと波平である。長年オリジナルで聞いていると、元の声とイメージが違いすぎるし、サザエさん…

「赤毛のアン」「アンの青春」のマグ・ラフマン

というわけで(笑)「赤毛のアン」「アンの青春」のマグ・ラフマンが出ているところだけを見てしまう。店員役と書いたが、「ローソン商店」の娘役のようだ。当時の片田舎の商店だからほとんど何でも置いてある。 「赤毛のアン」では、マリラがアンにギンガム…

アボンリーへの道

カナダで製作された、一応モンゴメリーの「ストーリー・ガール」シリーズの映像化作品。「赤毛のアン」とは関係ないのかと思っていたので、衛星に入ったりしても食指は動かなかったのだが、アンシリーズと世界を共有、かつ「アンの友達」「アンをめぐる人々…

たふさぎ(褌)

uzuram 様のところでも書いたが、大昔、(古本屋で買ったからさらに昔のバージョンだと思うが)村岡さんの赤毛のアンシリーズに「たふさぎ(褌?)」という言葉が出てきて調べた覚えがある。ところが、新しい本に買いなおしたところ、それが「シーツ」に替わ…

欧米の詩は朗読されることが前提

欧米の詩で思い出したことがあるが、欧米の詩は実は朗読されることが前提である。これを知ったのは「赤毛のアン」の映画であった。もちろん原作も読んでいるのだが、コンサートに音楽以外に詩の朗読があるというのがぴんとこなかったのだが、実際に映像で見…

古本屋での収穫

昨日は、のだめカンタービレのために古本屋を巡った。ヒット作なのでまったく無かったが、普段行かない古本屋も行ったため、けっこう収穫はあった。以前揃えかけていた、清原なつののりぼん時代の単行本が、もっていないものだけおいてあった。運命だ。これ…

私は気がつかなかったが赤毛のアンについての文章にコメントがあったようである。ご指摘のとおりです。いそいで書いたためのケアレスミスでした。訂正してお詫びします。

赤毛のアンの話

突然赤毛のアンの話である。最近はフェミニスト(?)から、日本に紹介されてからの成長期の少女に対する悪影響の歴史が指摘されているこのシリーズだが、素直に面白い話として読んではいけないのだろうか?そんな事を言うのは私が男だからだろうか?いや今…