小説

アンのクリスマス

アンのクリスマスモンゴメリモンゴメリの死後に生前書かれた短編が編集されて出版されたものの邦訳は、既に全部揃えたと思っていた。しかし、ニュー・モンゴメリ・ブックスの篠崎書林以外から、こんな本が出ていたとは知らなかった!(大汗)

吸血鬼ドラキュラ

ブラム・ストーカー というわけで(こちら)久々に読んでみた。 思い起こせば、子供のころ初めて読んだ時は、この登場人物による日記や手紙、新聞記事等のみで構成されているという形式が初めてだったので、その効果を含めて随分驚いたものだ。勿論、ストー…

「メリー・ポピンズ」の原作

映画「メリー・ポピンズ」の原作者パメラ・L・トラヴァースが、出来上がった映画を見て映画化権をディズニーに売ったことを死ぬまで後悔していたという話題を見た。 なんか、ゲド戦記のアニメ化に近いものを感じるな。 以前から気にはなっていたのだが、そう…

新旧「虹の谷のアン」その3

やっと全部読み終わったが、照らし合わせて読み比べるのが、こんなにしんどいとは思わなかった(笑) 今までの経緯はこちらとこちら 旧版で割愛されているのは、まずは村の出来ごとや噂話。 「ゴシップさまざま」とう章があるが、昔からちっともゴシップが書…

新旧「虹の谷のアン」その2

全部読み比べてから書くつもりだったが、第2章まで読んで時点での御報告(笑) 前回書いたように(こちら)装飾的な部分がよく割愛されるのだが、あと割愛されているのが(第2章までの段階だが)ちょくちょく差し込まれる「村の出来事」的な事。冗長と言え…

「ドラキュラの客」ブラム・ストーカー

というわけで(こちら)ブラム・ストーカーの短編集をユーズドで購入。 文庫化と思ったらソフトカバーの単行本であった。 彼の死後に、生前雑誌に発表された短編を彼の奥さんが集めたものに、「ドラキュラ」からカットされたエピソードである表題作を加えた…

新旧「虹の谷のアン」

長年村岡花子訳で親しんできた「赤毛のアン・シリーズ」であるが村岡花子が割愛した部分があることは今では有名な話である。(例えばマシュウがなくなった直後にマリラがアンに心情を吐露する場面) 2008年に出た新装版は補訳という形で村岡花子が割愛した部…

ブラム・ストーカー

「吸血鬼カーミラ」(こちら)を読んだ時に「ドラキュラも最後に読んだのは随分前だったなあ」と思ったのだが、本の貯蔵庫(笑)の奥から探し出して、読み返そうかどうしようかと思いながら、解説などを読んでみた。 で、びっくりしたのが、ブラム・ストーカ…

「悪魔の舌」村山槐多

「日本怪奇小説傑作集1」に収録されている作品である。 22歳で夭折した、画家であり詩人の村山槐多は、江戸川乱歩の2歳下であるが、この作品は乱歩の「二銭銅貨」以前に発表されている。 現代の目から見れば、この程度のグロさは大したことは無いのかも…

「吸血鬼カーミラ」(1872)

シェリダン・レ・ファニュ 「吸血鬼カーミラ」の物語に初めて触れたのは、美内すずえの「ガラスの仮面」の劇中劇、姫川亜弓がカーミラを演じる「カーミラの肖像」であった、と言う人はけっこう多いのではないか。 斯くいう私もその一人であったが、たぶん元…

幻想と怪奇 全3巻 ハヤカワ文庫

創元の「怪奇小説傑作集」を読み終わって、長らくつん読状態だったハヤカワのアンソロジー「幻想と怪奇」をやっと読み始めることができる。 こちらはより現代に近づき、レイ・ブラッドベリ、ローバート・シェクリイ、フィリップ・K・ディック、シオドア・ス…

オノレ・シュブラックの消滅 (1910)

ギョーム・アポリネール 創元の「怪奇小説傑作集」(こちら)は、1〜3巻が英米編、4巻がフランス編、5巻がドイツ/ロシア編、という構成だが、現在4巻まで読み進んだ。 さすがにフランスは英米とは一味も二味も違うなあ、と思っていたら、以前早川書房…

「怪奇小説傑作集」全5巻 創元推理文庫

以前、新訂版コナン全集の既刊分を読んだら、ハヤカワのアンソロジー「幻想と怪奇」全3巻、創元の「日本怪奇小説傑作集」を読むかな、等と書いたのだが(こちら)「幻想と怪奇」の解説を見たら、上記の創元の「怪奇小説傑作集」に収録された作品より後の時…

新訂版コナン全集

ピーター・トレメインの「アイルランド幻想」を読み終わって、さあいよいよ「修道女フィデルマ」シリーズのはずだったが、「アイルランド幻想」を読んでいる最中に、手元にあるケルト系の本を読んでいるうちに、なんかハワードの「コナン」シリーズが気にな…

「若きウェルテルの悩み」と「オシアンの歌」

先日マスネの「ウェルテル」についてちょっと書いたのだが(こちら)「若きウェルテルの悩み」も若い頃にざっと内容を知った程度だったので、再度調べてみたら、重要アイテムとして、ケルトの口承伝説「オシアンの歌」(偽作説あり)が登場している事を知っ…

ニュー・モンゴメリ・ブックス

「アンの娘リラ」「アンの夢の家」を読んだら「赤毛のアン」シリーズを「赤毛のアン」以外をざっと読み直して、現在ニュー・モンゴメリ・ブックスの短編集を再読中。 「ニュー・モンゴメリ」で日記検索すると過去の記事が見れる。

「赤毛のアン」シリーズ補訳版

村岡花子訳のモンゴメリの「赤毛のアン」シリーズは、省略部分があるので、松本侑子による全作翻訳を待望すると以前書いたが(こちら)2008年に新潮文庫から出て、やたら書店で見かけた新装版が村岡美枝(村岡花子さんのお孫さん)による省略部分の補訳版で…

赤毛のアンとケルト

赤毛のアン・シリーズの、ルーシー・M・モンゴメリについて 「モンゴメリは牧師の妻でありながら、キリスト教の範疇を超えた、一種ケルト的超自然思想をもっていた」 と書いた事があったが(こちら)ネット上でも、そういった方面から書いておられる方がい…

三つの冠の物語 ヒース、樫、オリーブ(1972)

ローズマリー・サトクリフ 別個に発表された3つの作品をまとめたもの。ちょうど良く冠がテーマなのは、元々まとめる構想があったのだろうか。 「族長の娘 - ヒースの花冠」(1967)ブリトゥン 1,2世紀頃 「樫の葉の冠」(1968)ピクトと戦うローマ 3,4世紀…

太陽の戦士(1958)

ローズマリー・サトクリフ この作品も「第九軍団のワシ」(1954)と「ともしびをかかげて」(1959)の間に書かれており、ブリテンを舞台にした作品である。しかし時系列的には紀元前900年、青銅器時代である。ギリシャのポリス時代の末期、ローマの萌芽の150…

ふたりの聖なる約束(2008)

アイリス・ジョハンセン 「青き騎士との誓い」(こちら)の続編であるが、実際は前作のビーローの若き親友と、ヒロインの妹の物語。前作を読んだ後、なんか一つ謎が残ってるな、という気がしたが、本作はその謎から物語が始まる。 例のエロシーンであるが、…

青き騎士との誓い(1996)

アイリス・ジョハンセン だいぶ前に、本屋の店頭で「ふたりの聖なる約束」という本がなんとなく気になった。 いわゆる「ヒストリカル・ロマンス」と言われるジャンルで、まあハーレクインの時代版なんだろうが、個人的には縁が無い世界かと思っていた。 調べ…

シールド・リング ヴァイキングの心の砦(1956)

ローズマリー・サトクリフ (震災前に書いてあった記事) 実は「アイクラ家のイルカの指輪シリーズ」は「剣の歌」(1997)で終わりにしようかと思っていたのだが「剣の歌」が良かったので、時系列的には最終作のこの作品も読んでしまう。 時系列的には最終作…

ケルトとローマの息子(1955)

ローズマリー・サトクリフ この作品は、いわゆる「ローマン・ブリテン4部作」や「アイクラ家のイルカの指輪シリーズ」ではないものの「第九軍団のワシ」(1954)の直後に書かれており、また時系列的にも「第九軍団のワシ」の後と思われる事から、もしかした…

剣の歌 ヴァイキングの物語(1997)

ローズマリー・サトクリフ サトクリフの死後に発売された、文字通り絶筆作品。「アイクラ家のイルカの指輪シリーズ」最後の作品である(時系列的には、1956年発表の「シールド・リング ヴァイキングの心の砦」の前にあたる) 最初は指環目当てで読み始めたが…

辺境のオオカミ(1980)

ローズマリー・サトクリフ 岩波書店で言うところの「ローマンブリテン4部作」の4作目「アイクラ家のイルカの指環シリーズ」としては、時系列的には「銀の枝」の後、執筆的には「ともしびをかかげて」や「夜明けの風」の約20年後に書かれた作品。 自分の判…

銀の枝(1957)

ローズマリー・サトクリフ アイクラ家のイルカの指環シリーズの第2作。時代は紀元3世紀末、ローマ皇帝は、マクシミアヌス帝(分割統治)ブリテンでカロウシウス(カラウシウス)が皇帝を名乗っていた時代。 この「カラウシウス」については、寡聞にして初…

第九軍団のワシ(1954)

ローズマリー・サトクリフ やっとのことで、ローマン・ブリテンの第1作目を読む。 女王ブーディカの乱(乱って使いたくないけど)から60年後のブリテンに、ローマ軍の若き百人(大)隊長のマーカスが赴任する。彼の父のひきいる第九軍団は、かつてカレド…

サトクリフのローマン・ブリテン・シリーズ

サトクリフのローマン・ブリテン・シリーズは、一般には「ローマン・ブリテン4部作」と呼ばれている。(出版順) 1954 第九軍団のワシ 1957 銀の枝 1959 ともしびをかかげて 1980 辺境のオオカミ しかし、前にも書いたが「夜明けの風」は、あきらかに「とも…

「夜明けの風」(1961)

ローズマリー・サトクリフ 「落日の剣」「アネイリンの歌」で、アーサー王関連も一息ついたと思ったが、「ローマン・ブリテンシリーズ」でアイクラへと受け継がれてきた「イルカの指環」を持つ少年が主人公の、アルトスが没して100年後の時代を描いた作品が…