モーツァルト ピアノ協奏曲第20番

フリッチャイ指揮 RIAS交響楽団(1954)
ピアノ クララ・ハスキル
以前からK(ケッヘル)466と通常言われるこの20番が好きである。思えば20数年前に、ピーター・ゼルキンが来日し、この曲と「ジュノム」といわれる9番を演奏したのをTVでやっていたのを見たのがきっかけだった。
さて、あいも変わらず真摯な音作りで、これが短調のこの曲に実にマッチしている。大事に大事に演奏している感じが伝わってくる。妙なけれんも無い。クララ・ハスキルの一見端正だがその奥に情緒が光る名演とあいまって、私が今まで聞いたK466の中でも極上の部類に入ると思う。協奏曲はオペラと同じく、指揮者が良くても演奏者がだめだったり、演奏者が良くても指揮者がだめだったりすることが多いので、なかなか気に入った演奏にめぐり合えないのだが、これは素晴らしい。惜しむらくはモノラルだと言うこと。