クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002)

「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」(2001)を結局未だ通しで見ていないが、レンタル割引があったので、こちらを先に見る。
冒頭のしんのすけ達のちゃんばらごっこの素晴らしい動きにうなる。
舞台が戦国時代にうつり、合戦のシーンが新鮮である。というのも、当時は石つぶてが弓矢や鉄砲に並んで重要な飛び道具であったこと、長槍は刺すには精度が落ちるため、実際には防御の槍ぶすまにするか、攻撃の時は互いに叩き合ったということは知っていたのだが、戦国を舞台にした映画やドラマでは、なかなかそんなシーンにお目にかかったことが無かったからである。
背景や美術も美しいし、時代考証がしっかりしている。天正二年といえば、翌年が「長篠の戦い」であり、関西中部では信長の天下武布の真っ最中だが、関東は蚊帳の外でおおむね北条氏の支配下で、のんびりしていた時代でたいした合戦も無かったはずが、思わず、なにかモデルになる合戦があったかと手元の資料を調べてしまった。(もちろん架空)
殺陣も迫力があり、どうも全体に黒沢監督へのオマージュがあるようだ。
いつもどおりのギャグも満載、前作同様泣かせるセリフも多い。ひろしの「しんのすけのいない世界に未練があるか!」に親としてうるっとくる。
ストーリー、演出共に見事の一言に尽きる。私は「クレヨンしんちゃん」というだけで、この作品に触れてこなかった不明を恥じる。ジ○リの神話はとうに終わっていたのだということを、改めて感じた。この作品を前にしてハ○ルなどどれほどのものというのか・・・・・
ただし、「オトナ帝国」もそうだが、これが子供向けかというと疑問は残る。うちの娘も20分で飽きて「もう見ない」と言い出した(汗)
PS.声優陣もすばらしい。ヒロインの小林愛は、もののけの田中裕子に勝るとも劣らず!
ちびまる子の父親で有名な屋良有作も別人のような(と言うのも失礼だが)かっこよさ。他も羽佐間道夫大塚周夫緒方賢一玄田哲章納谷六朗山路和弘等、しぶ好みの声優ファンには落涙ものである。