狐罠(1997)

北森鴻
はまりつつある北森鴻であるが、「蓮丈那智フィールドファイル」の次は何を読むかで悩んだ。
けっこうシリーズ物が多いし、彼のデビューから順番に読もうかとも思った。
しかし、「冬狐堂」シリーズ第2作「狐闇」で登場する蓮丈那智にまた会いたい。
となると必然的に「冬狐堂」シリーズ第1作から読まねばならない(笑)
「冬狐堂」こと宇佐美陶子は「旗師」といわれる店舗を持たない古美術商、いわゆる骨董ブローカーである。
高橋克彦さんの一連の浮世絵もので、うさんくさい美術商と評論家(あるいは古美術探偵)との対決には触れてきているので、こういう世界は個人的には親近感がある。
話の発端は「目利き殺し」を仕掛けられた陶子の復讐譚ということになるのだろうが、一筋縄ではいかない。
陶子が「目利き殺し」返しを仕掛けようとしている間に起きた殺人事件に、30年前のさらに大規模な「目利き殺し」がからんでくる。
何よりもこの世界に対する掘り下げ方が尋常ではない。また、2重のどんでん返しも含めて構成が実に見事だ。
実は出版順から言うとこの作品はまだ3作目である。恐るべし。

ヤノヴィッツの元帥夫人

ようつべのヤノヴィッツは定期的にチェックしているが、とうとう出た!
私の思いが世界の誰かに通じたのか!
本番さながらの舞台と衣装をつけたガラ・コンサートのファイナル・トリオ
1986年ということで、若干の衰えはあるがやはりすごい。
たぶん他の人が聴いたら彼女の声は硬質にすぎるというかもしれないが、私はドンピシャである。
例のピアニッシモからフォルテッシモもしっかり聴ける

こちらは、かなり画像は悪いが1982年の舞台、第1幕の元帥夫人のモノローグ