モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

ジュリーニ指揮 RAI放送ローマ管弦楽団(1970)
ニコライ・ギャウロフ:ドン・ジョヴァンニ
セスト・ブルスカンティーニ:レポレルロ
セーナ・ユリナッチ:ドンナ・エルヴィーラ
グンドラ・ヤノヴィッツ:ドンナ・アンナ
アルフレード・クラウス:ドン・オッターヴィオ
リヴィエラ・ミルジャコヴィチ:ツェルリーナ
ワルター・モナケシ:マゼット
ディミテル・ペトコフ:騎士長

実は、ヤノヴィッツの参加する「ドン・ジョヴァンニ」は5種類、カラヤン3種とジュリーニ、デイヴィス指揮なのだが、長らくカラヤン盤1種しか入手可能でないと思っていたので買う気もなかったのだが、実はジュリーニ盤が入手可能であったのを知ってあわてて購入した。他の歌手も信じられないくらい豪華である。
たぶん、ライブを放送用に録音したモノラル盤。
ジュリーニは意外にテンポが遅めでかなりドラマティック。
ギャウロフのドン・ジョヴァンニクレンペラー盤が名盤とのとこで、昔から欲しいのだが、再発が無いし、なかなか適正価格にならない。しかし、奥さんのフレーニとガラコンサートで来日した時、奥さんと「お手をどうぞ」を歌ったが、その時は高音部がきつそうだった覚えがあるので、ドン・ジョヴァンニはどうか、という先入観もあったが、こちらは若いので高音の部分はまあまあだった。
しかし「ドン・ジョヴァンニ」は何があってもびくともしない図々しさがなければいけない。ギャウロフはなんか必死だ。朴訥でで善良な田舎の農民みたいに聞こえる。
ブルスカンティーニは軽妙な名バリトンだが、レポレロはバスが歌うべき。
二人が歌うとバスとバリトンが逆転しているため、善良なギャウロフがレポレロに聴こえてしまう。
ヤノヴィッツのドンナ・アンナ、クラウスのドン・オッターヴィオは、これ以上は望めないほどの出来。私がデルモータのファンでなかったらクラウスを第1に推す。
ユリナッチは当時かなりベテランで、若干衰えが見えるが、貫禄はさすが。
他の歌手も問題ない。問題は最初の二人のみ(汗)
ちなみに、ユリナッチとブルスカンティーニが夫婦だとは知らなかったな。