藤原基衡と「蒼き蝦夷の血」

藤原基衡と「蒼き蝦夷の血」
奥州藤原氏については、何と言っても義経に絡む秀衡と泰衡が一般的には有名で、さまざまな作品に登場する。
次いでは初代の清衡、そして「炎立つ」で一躍脚光を浴びた0代(初代の前だから)の経清であるが、二代目の基衡は影が薄い。
影が薄いから平凡な人生を送ったのかと思いきや、実は跡目争いで兄弟相克の血で血を洗う争いの末に二代目を継いでいたりする。
しかし、史実としての詳細はけっこう不明だったりするので、小説とかにもしづらいのかもしれない。
そんな中、私が知る限りで基衡を(というか「も」)小説で扱ったのが今東光の「蒼き蝦夷の血」で、これを原作とする漫画のコンビニ本で読もうかと思っていたが、
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2013/02/24/084625
続きがなかなか出ない。っていうかもう出ないのか?
元々の全3巻の講談社版は、第3巻がべらぼうに高い。
ので、原作をユーズドで買うことにした。

 

大河ドラマと差別

ちょっと古い話題だが、大河ドラマである県の人が、ドラマの中でその県が悪役扱いされているのが気にくわない、と言っているというネット上の話題を見た。
歴史を小説やドラマにする場合、敵対しあっている勢力のどちらかに主人公が属していれば、当然もう片方は悪役になるのは、物語作りとしては鉄則だと思うが、そういう事も許さない県民性なんだろうか。
東北は常に悪役、もしくは差別の対象であったから、ある程度慣れているが、一度官軍となった方は、もうそれ以外は受け付けなくなってしまうんだろうか。
そう言えば、昔「炎立つ」が放映されていた頃、雑誌で「衡ばっかりで、誰が誰だかわからない」と揶揄する記事がのった事があって、随分寂しい思いをしたものだ。
確かに、清衡、実衡、家衡等々、衡ばかりでてくるのは確かだ。その人は、大河ドラマに馴染みのない東北が舞台であるのがまず気に入らないのだろうし、さらに名前が似通っているのでそういう意見になったのだと思うが、そもそも東北を理解しようという気がない、というか東北に対する差別意識が潜んでいるように気がする。
しかしである。かくいう私も遠い九州の、島津義久、義弘、歳久、家久とか並べられたら、やはり誰が誰だか、急には思いつかないのが現状なので、いかしかたないのかもしれない。