篠田真由美「紅薔薇伝綺」

篠田真由美紅薔薇伝綺」
「龍の黙示録」第5弾である。
「唯一の神の御名」と同様に過去編であるが「唯一の神の御名」は主人公の思い出話だったのに対し、こちらは過去へ跳んでしまう話。それも前作でとりこまれた元敵役をつれて、というかその彼が主人公になっている!ある意味番外編。
ストーリー的には今まで通りの「魔」狩りだが、この「彼」の魂の目覚めの物語でもあり、そこらへんはかなり感動的である。
背景に、中世フランスでカトリックに弾圧されたキリスト教カタリ派」(グノーシス系と言われる)というのが出てくるが、これも知らなかったなあ。知らないことはまだまだある。
で、この作品は、かの「薔薇の名前」へのオマージュ的作品でもあるのだが、実はこの作品が話題になった時には、へそ曲がりの癖で読んでないし映画も見てない。今ではユーズドっていう手もあるのでこの機会に読んでみるかな。