モンゴメリ「果樹園のセレナーデ」の「ルウシィ・モンゴメリおぼえがき」

モンゴメリ「果樹園のセレナーデ」の「ルウシィ・モンゴメリおぼえがき」
さて、未読のモンゴメリ作品を、出版順に読んでゆくシリーズが始まったわけだが(いつ?(笑))この作品には後書き的に「ルウシィ・モンゴメリおぼえがき」なる村岡花子によるモンゴメリの略伝的な文章がかなり長尺で収録されている。ざっとページ数を確認したら全体の7分の1もある。
「果樹園のセレナーデ」を読む前にこの「ルウシィ・モンゴメリおぼえがき」読んでしまったのだが(たぶん自伝からとっったのだろう)モンゴメリが子供の頃に聞いたという先祖の話が面白かった。
例えば、スコットランド移民としてやってきた曽曽祖父は、本来はケベックへ行くはずだったのが、奥さん(曽曽祖母)があまりにひどい船酔いで、たまたま休憩で上陸したプリンス・エドワード島をてこでも動かなかったために、しょうがなくプリンス・エドワード島に住み着いたとのこと。曽曽祖母の船酔いがなかったら、モンゴメリプリンス・エドワード島で生まれなかったろうし「赤毛のアン」も生まれなかったかもしれない。運命というのは面白いな。
村岡花子も書いているが、こういった先祖の話が、けっこうモンゴメリの短編の元ネタになったりしているようだ。いずれ自伝の「険しい道」も読まねばなるまい。