えびす聖子 原作 高橋克彦 漫画 高室弓生

えびす聖子 原作 高橋克彦 漫画 高室弓生
高橋克彦さんの「えびす聖子」が漫画化されているのを店頭で見つけて慌てて買ってしまう。
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2007/10/07
高室弓生については寡聞にして知らなかったが、縄文時代を舞台とした漫画で知られている、という私にはありがたい存在であった。
後書きに書かれている、漫画化の経緯がまた高橋さんらしいスピリチュアルなものだ。
高室さんが学生時代にたまたま応募したラジオのプレゼントの商品が高橋さんの「総門谷」であったこと。
岩手関連の漫画展(高室さんは岩手出身)で、高橋さんが高室さんの漫画を見かけて「えびす聖子」の漫画化を彼女に依頼しようと思い立ったこと。
やはり、やるべきことを天から与えられている人は、そのように世界が展開してゆくのだ。
しかし、あえて言わせてもらう。

自身が縄文式土器片を発掘するなど、学術的に正確な描写ができる(高室さんのウィキペディアより)

とあるように、背景や物の描写は素晴らしいものがあるが、肝心の人物の造形や動きや表情があまりに拙い。プロの漫画家に対して失礼ではあると思う。しかし、ミステリーやホラー等、漫画化されやすい高橋さんの作品ではなく、古代伝奇SFとも言える「えびす聖子」を漫画化してくださった高室さんだからこそ、あえて苦言を呈させていただく。
作品は、まだ途中の様相(ウィキペディアによると連載中とのこと)なので、今後に期待したい。