「神秘日本」岡本太郎(1964 2015復刊))

書店で見かけて、手に取ってみて、第1章のタイトル「オシラの魂 -東北文化論ー」を見てでびっくりして迷わず買ってしまった。しかし考えてみれば縄文土器の美術性を初めて見抜いたお方だから当然と言えば当然か。
まだ途中なのだが、東北弁について、当の東北人としても目から鱗の言葉があったので、長いけれど引用する。


純粋に音としてだけ聞いてみる。そこには必ず、生活そのもののリズムが波うち、ひびいている。ズーズー弁といって、とかくコミックに使われたり、軽蔑される東北地方の言葉は、逆に言いようなくリズミカルだ。その美しさが心にしみてから、意味をとる。すると、いかにその音の流れと、表現・内容が切実であり、直接であるかということがわかる。そしてそんな時、ふり返って、いわゆる標準語の、おていさいばかりの空虚さに無性に腹が立つのである。リズムを失った、味もそっけもない、官僚的ないやらしさ。

岡本太郎は音楽の才能もあったろうな・・・

姉妹編の「日本再発見 芸術風土記」(1958)や「忘れられた日本沖縄文化論」(1961)も読みたいな。