ジョン・ウェットンのベース:序論

ベースを弾く弾き方に大きく分けて「指弾き」と「ピック弾き」がある。大概のベーシストはどちらかを選び、両方やるという人はけっして多くない。
レッド・ツェッペリンジョン・ポール・ジョーンズは例外で彼は通常「指弾き」であるが、曲の内容によって効果的であると判断した場合に「ピック弾き」をするという、いわば効果音的な扱いで「ピック弾き」をしている。
なぜ、通常どちらかを選ぶかというと「指弾き」と「ピック弾き」では使用する手や腕の筋肉が微妙に違うのである。ギターに比べればベースの方が力が必要であることはお分かりだろう。どちらかを熟練したあと、片方も熟練している間に、前の弾き方でせっかくついた筋肉をまた一から鍛えなおさねばならない。という問題があるのである。
ベーシストがどちらの方法を選ぶかは、もちろん参加しているバンドや自分の目指す音楽の種類による事は勿論だが、もうひとつ重要な要因がある。それは、「指弾き」だと弾きやすいフレーズ、「ピック弾き」だと弾きやすいフレーズがある程度分かれているという事である。(具体的に語るのはむずかしいが)そして、よりどちらのフレーズを引きたいかで、ベーシストは自分の弾き方を選ぶ。(いやいや、かってな言い草ですからつっこみ禁止)わたしは贅沢にも両方弾きたかったが、前述の筋肉の件で泣く泣く「ピック弾き」に統一した。