The Butterfly Ball(1974)

Roger Glover

ディープ・パープル、レインボーのベーシストとして有名なロジャー・グローヴァーだが、これは、彼の(一応)ソロ作品。一応というのは、同名の絵本をもとに、映画やらなにやらを展開するプロジェクトが計画され、その音楽化の部分が彼に依頼されたのだが、結局、他はぽしゃって、このアルバムだけ、残ってしまったらしい。このアルバム、アナログ時代は確か邦盤が無く、輸入盤で聴いていた。
内容は、タイトル「蝶々の舞踏会」から想像されるように、虫たち、鳥たちが「蝶々の舞踏会」へ行くまでのさまざまな物語を、その当人(?)である、虫たち、鳥たちが歌うという趣向。そして、その歌うボーカリストたちが豪華だ。
ロニー・ジェイムズ・ディオが主役のカエルというのはイメージ合いすぎ!レインボー加入前の彼が聴ける、それもバラードも含めて!他にも、グレン・ヒューズ、デヴィッド・カヴァーディール、リサ・ストライク(ピンク・フロイド「狂気」に参加)トニー・アシュトン ジョン・ロートン ETCさらにバックには、エディ・ジョブスン、マイケル・ジャイルス、アン・オデールの名前も見える。

大変良質な、ブリティッシュポップスで、しかもコンセプトアルバムで、プログレの香りがする。アナログ時代から、わたしは大変な名盤だと思っていたのだが、あまり評判が聞こえてこなかった。このメンツからして、まず、パープルのファンが手を出すだろうが、彼らにしてみれば、物足りないだろう。逆にプログレファンはメンツを見て、まさかプログレっぽいとは思わないから、最初から買わないだろう。(ロジャーは、もっとプログレっぽい"Elements"もあるがCD化されたという話も聞かない)ある意味大変損をしているアルバムだ。ちなみに、以前はなぜか「ウィザーズ・コンベンション」とカップリング発売で、泣いたものだか、今は単独で手に入るらしい。
PS.アナログ時代、タイトルと歌詞の間に但し書きがあった。たとえば「蝶のだれそれがXXXXのために歌います」みたいな感じで、これが無いと、その歌を誰が歌っているのかわからず、ある意味、このアルバムの肝とも言うべきものだが、私の日本盤は、その部分がどこにも記載されていない。これでは意味がないのである!(ネット検索しても、歌詞が出てくる事はあっても但し書きは出てこない)再発の単独盤には、記載されているのだろうか?輸入盤はどうなのだろう?もし記載されているなら、買いなおす事も考えるので、どなたか情報をお教えください。