ブルガリアン・ヴォイス(発売:1987 録音:不明) ブルガリアン・ヴォイス第二集(発売:1988 録音:不明)

アナログ時代は、邦楽、民族音楽にはまっていた時代があって、故小泉文夫氏の著書を読んだり、アナログ盤もずいぶん買ったものだったが、CD時代になって、手元にある民族音楽的なものはこれだけである。これは、まだCMで使用されてりして、注目を集めだした頃のものだが、今、アマゾン等でみると、ずいぶんいろいろな種類が発売されている。
さすがに、ヨーロッパとアジアのはざまの音楽といった感じで、ヨーロッパにはない、地声を強調した女声で、独特の節回しが哀愁をさそう。リズムも和声も特異である。
アニメファンなら「攻殻機動隊」のBGMを想像してもらえば、わかりやすい。あきらかにブルガリアン・ヴォイスを意識して作られている。こういう音楽をたまに聴いて、知らず知らずのうちに、西洋音楽の常識にそまっている自分の耳を、リセットするのもいいかもしれない。
考えてみれば、邦楽もかなり西洋音楽とは違う。まず、低音楽器が無い。ぜいぜい大きな太鼓で低音波を発するぐらいだ。これはまず、日本の気候が多湿であること。よって住居快適さを保つために、古くから木造が主流であったことに関係があると私は勝手に想像する。西洋音楽は、教会音楽を元に発達した。つまり、深い残響を前提とし、楽器や、和声、メロディが発達した。日本では、木造のため、音はどんどん抜けてゆく。よって、低音はあまり効果が無く、より抜けの良い高音楽器が主流になったのでは・・・などと、思うのであった。