Om(1965)

John Coltrane
ジョン・コルトレーンを、一般的でないと言うと、ジャズファンには怒られる。しかし、このアルバムを含む一連の、フリージャズ移行以後はどうだろう?タイトル「オーム」からも伺えるように、東洋思想、宗教的色合いも濃い。ネットでいろいろと見てみると、どうもコルトレーンファンは、1964年「至上の愛」あたりを最高傑作と位置付け、それ以降のフリージャズのコルトレーンについては黙して語らず、みたいな気がする。あたかも、シャーロック・ホームズのファンが、コナン・ドイルが晩年、心霊科学に没頭した事を、無視したがるように。しかし、私は、初めて聴いたのがバイト先のジャズ喫茶で聞いた、「ヴィレッジ・バンガード・アゲイン」の「ネイマ」だったせいかもしれないし、プログレ、前衛音楽を聴いていたせいかもしれないが、こちらのコルトレーンにひかれる。
このころの映像をみると、まるで修験者の荒行のような吹きっぷりである。この人も何か、究極を求めて求めてやむ事のなかった求道者だったのだなあ、と思う。1967年に亡くなったが、早すぎたと惜しむべきか、こんなことやってたら長生きはできないと納得するべきか。