Present

さて、VDGGの新譜であるが、メンツから、漠然とこの時期(DR、SAX、KEY+VOL)の再現かと思っていた。このメンツでの最終作あたりから、ピアノやアコギを弾いていたピーターがエレキギターを弾き始める。いわゆる末期やソロになってからは、当たり前のようにエレキギターを弾きながら歌う様になった。そのころは当然ニック・ポーター等がベースを弾いている。何が言いたいかというと、今回のようなサウンドならば(DR、SAX、KEY、GT&VOL)、なんでニックを呼ばなかったかということなのだ。エレキギターが無い編成でベースレス(つまりペダルベース)は特異なサウンドを生み出していたが、エレキギターが入ると、やはりベースが欲しい。まあ、これはファンの無いものねだりである。CD1枚目は、ソロを経たピーターの曲作りでVDGGを再現した感じ。大人の余裕も感じられる(年も年だし)問題は2枚目である、65分にもわたって、ある種ラフなセッション(歌なし)が収録されている。これは、彼らの今までの作品には存在しなかった方法論だ。ただし、曲作りにあたって、ピーターの曲のアイデアに基づき、残りのメンツが、かなり自由な発想でインプロヴァイズ等を重ねて曲を形作っていったということは(仕上がりを聞けば)容易に想像できる。つまり、しあがり直前の状態を集めたものともいえる。これはボーナストラック的なものなのか、それとも、彼らの今後の作品作りに、この方法論を大々的に取り入れるという宣言なのか、今の状態ではわからない。(解説も読めないし)できは、意外にというか彼らのセンスからすれば当たり前かも知れないが、大変よろしい。65分ほとんどあきもこずに聴けた。もともとキング・クリムゾンのインプロや元JAPANの「レイン・トゥリー・クロウ」を好んで聴く私だからかもしれないが、これは大変よかった。この再結成がパーマネントなものであるなら、こっちの方面も期待したい。