The Quiet Zone, the Pleasure Dome(1977)

Van der Graaf
1976年に再結成し、怒涛のごとく3枚のアルバムを発表し、サックスとキーボード脱退をうけ、出戻りベースとバイオリンを向かえて、Van der Graaf名義になっての 1977年のアルバム。なんと慌しい。これだけ楽器が替わっても、VDGGとして聴けてしまうのはやはりピーターの個性があまりにも強いせいか。比較的短い曲が多いが、凝り方は以前と遜色ないため、ボリューム感は大変なのもがある。ただし変拍子は影を潜め、よりアグレッシブなリズム体制である。キーボードが抜け、ピーターのギターがコード楽器として伴奏をせざるを得ない状況+より切り込み感の強いバイオリンの採用+専任ベーシストの存在が、そうさせたのか、アグレッシブなリズムの曲をやらんがために、この編成にしたのか、どちらであろう?。どちらにしても、このアグレッシブさが頂点をはるかに越えた形で爆発しているのが次作「Vital」なので、ピーターがこのバンドの音楽性の変化を画策していたということは言えそうである。VDGGを初めて聴く人には勧められないが、大変完成度が高い傑作であるという事は確かである。
ボーナストラックは、まずは「Vital」での演奏が印象的だったVDGG流ヘビメタ"DOOR"のスタジオ版で、初めて聴いたのでこれはありがたかった。"SHIP OF FOOLS"も同様に「Vital」収録のVDGG流ヘビメタだが、こちらは「I Prophesy Disaster」(1993)というリマスターベストで既に発売済み。あと5曲目「WAVE」のデモバージョン(ボーカルなし)