キャラバンサライ(1972)

サンタナ
評判や、成立事情からある程度予測はしていたものの1曲めはびっくり。これはファラオ・サンダーズ、ロニー・リストン・スミスそのまんまではないか!いや、ロニーのソロは1973年だから先取りか!?うーんほんとにこの70年代前半の、ジャズとロックの接近はすごいものがある。その後も、ラテンロックながらも、ウェザー・リポート等のロックジャズ的(いや、スピリチュアル・ジャズか)アプローチが根底にあり、特にこのアルバムを最後に脱退してジャーニーを作る連中が参加していないB面にそれが顕著だ。アコースティックベースが参加してると、もろロックジャズに聴こえる。こんなんばっかりなら、サンタナも揃えたいがそうでもないらしい。とにもかくにも、今まで聴かないで損したと思ったが、ちゃんとファラオやウェザーを聴いた今だから、このアルバムのすごさも分かったのだと思うと、一番いい時期に聴いたのだろう。ただ、ほとんどの曲がフェイドアウトである。全部延々とやってもらって、2枚組みぐらいで出してもよかったのでは、というのは後追いの勝手な言い分。
最後に一言、これをプログレ的アプローチというのはなんか違うのでは?A面がすべてつながっているからコンセプトアルバムだというのもどうかと思う。だれがどうというのではないが、クラシックを知らないでプログレを語り、ジャズを聞かないで、ジャズロックを語り、ロックも聴かないで、ロックジャズを語る評論家を読むと、ちょっと笑ってしまうのだった。でも、わたしも何年か前までは、そうだったのだから、人のことは言えない。