Contrappunti(夜想曲)(1974)

LE ORME
以前、アナログ時代に、廉価版のヨーロピアン・プログレ・シリーズでレ・オルメを買ったと書いたが、それはこのアルバムだ。聴くと思い出してくるものである。前作で、「キーボードトリオと言えば○○のナイスとか○○のEL&Pを想像するが、これは違う」と書いたが、1曲目はいきなりのナイス風。思うに、日本盤の最初が、最高傑作といわれた前作ではなく、この作品になったのは、ナイスやEL&P風の曲が入っている方が、当時の日本のプログレファンに受け入れられやすいのでは?と売る側が思ったのではないか?とうがった見方をしてしまう。
前作では歌物をなりたたせるためのシンフォニック・プログレだったのが、どうもこのアルバムは歌が演奏に従属しているような印象をあたえる。彼らにとっては新境地の意欲作だったろうが、名作である前作の後に聞くと、全体的に中途半端な感じがする。その証拠に、セールス的に振るわず、この後ポップス転進後、またプログレに戻ったりしている。しかし、近年もアルバムを発表し続け、傑作の評判を聞くと、たいしたものだと思う。