竜の騎士(DRAGONFLIGHT:1968)

アン・マキャフリイ
いわゆる「パーンの竜騎士」シリーズ第1作である。ずいぶん前にはまった時期があって、そのころは外伝の「竜の貴婦人」あたりまでが発売されていたはずだが、その後さらにシリーズは続いているようで、今回古本屋にあるだけ購入した。一気にハリポタを読んだあと、ゲド戦記はいまだふんぎりがつかず(金銭的に)他のファンタジーも手を出すのを躊躇して、じゃあ懐かしいこっちを読んでみるか、ということになった次第。
ファンタジーっぽいが、設定からしてSFであることは間違いないが、外伝(惑星パーンの創世記:人類がパーンに入植した頃)でもろSFになってちょっと違和感があった覚えがある。しかし、現代(パーンのね)の人々が、古代のコンピューターを発見したりしてゆく(らしいので)未読の部分は楽しみ。
さて、これだけ映画もCGが発達してきたのだから、そろそろこのシリーズの映画化の話があってもいいと思うのだが、どうなんだろう。この1作目もコンパクトにまとめれば、けっこう面白い作品になると思うが。そういえば第2作は「竜の探索」(DRAGONQUEST)だが、あの有名なゲームはここからとったのか?偶然か?
この、マキャフリイって人は、このシリーズ以外にも多数シリーズを抱えていて、アイデアを文章にする暇が無いといって、共作者を使ったりしている、天性のストーリー・テーラーで、深みにはやや欠けるものの、面白さだけとれば抜群の人で、同じ女流作家のル・グウィンなんかとは対極の人だ。(乱暴なたとえだが、ミステリー界でいうと、クリスティとP・D・ジェイムズの関係に近いか?)、「歌う船」はまた読みたいものだ。もういい年になっていると思うが、まだまだがんばるらしい。そうなると「デューン」のハーバートの死がくやしい。いくら息子が書き継ぐとはいえ本当の「デューン」の完結は明らかに望めないのだから。