Marvin Gaye

何べんか書いているが、私はソウル系はほとんど自分から聞くことはしない。そんな私が珍しくアナログ時代から所有していたのがマーヴィン・ゲイのライブ(1974)であった。何かのきっかけで彼を知り、1枚目はライブを買うという若い頃の習慣で多分買ったのだと思う。彼についてはほとんど知らず、当時は「黒いプレスリー」などというキャッチ・フレーズがあって、観客のあまりの熱狂振りに、さもありなんと思ったものだ。たぶん今現在、マーヴィン・ゲイで私の一番好きな曲である「遠い恋人」は、スタジオ盤はいきなりはじまるのだが、ライブではなまめかしいイントロが加えられ、盛り上げるだけ盛り上げて「Distant Lover 〜」と歌いだした時の女性客のすさまじい悲鳴はもう、失神したか?と思うほどである。
ところで、なぜ私はソウルを余り聴かないかというと、マーヴィン・ゲイや、彼の影響を受けたとされるマイケル・ジャクソン等に共通することとして、曲全体の流れがあり、それに対するボーカルラインが、あたかもフリーインプロのような形で形成されているという点が上げられる。つまりは、ボーカルラインも全体の流れが存在して欲しかったのだ。なぜかというとやはり、クラシック好きということもあり、きちんとボーカルラインがあり、それにウラメロが絡んだり、それを主題に展開とかがあるパターンの方が馴染んでいたという事。しかし、インストではあれほどフリーインプロが好きな私ではなかったか?ならば心を入替えて、ボーカルのフリーインプロ的なものを聞いても良いではないか。で、今回安〜い輸入盤で何枚か購入してお勉強。
ここで思うのだが、ジャズなどほとんど聴かない頃にジョン・コルトレーン(晩年)は聴き、ソウルなどほとんど聞かない頃に、このマーヴィン・ゲイは聴いている(両方とも早死にだなあ)そして、年月を経て、ちゃんと聴くようになる。やはり一種の縁があるのだろう。