キング・アーサー(2004)

お断り:この映画見てません(汗)
今まで漠然と「エクスカリバー」(1981)みたいなもんかと、余り興味を持たなかったのだが、そうではないらしい。
そもそも、一般に知られている「アーサー王」の話は「中世騎士物語」の体裁だが、アーサー王のモデルとなったといわれる人物が登場するのは5、6世紀であって、のちの「騎士」階級が成立する前である。しかも、フランスのノルマン公ウィリアム(征服王)がイギリスを征服した時、自分の支配の正統性を浸透させるため、フランスのブルターニュ地方(ケルト人在住)とのつながりを主張、既に英雄伝説の確立したアーサー王(そもそもローマ化したケルト人)と強引に結びつけ、「我こそアーサーの再来なり」と言い張る下地作りのために、いろいろなアーサー本を書かせたのがそもそも我々の知るアーサー王伝説の始まりなのだ。(よって、アーサー王の話なのになんとフランス語である)

しかし、このアーサーのモデルの登場する5、6世紀までのブリテン島の事情は複雑である。

まずケルト人はローマにブリテン島へ追いやられる。
そして、さらにローマに攻められ
 ブリテン島の南のケルト人は服従しローマ化、
 アイルランドやスコットランドには元からのケルト人がいる。
そこへ東海岸に各ゲルマン民族が上陸。
ローマ本国はゲルマン民族大移動やフン族の侵入で青息吐息。、
→ ローマ化したケルトは孤立無援。
そして、三つ巴(ケルト:ローマ化したケルト(アーサー王):ゲルマン)の争いが始まる。

こんな時代に八面六臂の活躍をしたのが、アーサー王のモデルとされる人物。(映画ではローマの軍人とケルト人の間に生まれたことになっている)
長々と書いたが、「キング・アーサー」はこのモデルを元に、中世騎士物語色(キリスト教的教訓も)や後世の脚色を排除する形で作成されたらしい。それなら大変興味がある。製作が「パイレーツ・オブ・カリビアン」といっしょというのも期待させる。って、まだ見ていない映画の話を延々としていいのか?

そういえば、アーサー王はこれだけ有名な話なのに音楽のネタになったという話は余り聞かない。寡聞にしてリック・ウェイクマンしか知らない(聴いてもいない(汗))あまりにも有名すぎて音楽化がためらわれるのであろうか。

・・・・・そういえばエンヤもケルトだ。1stのタイトルがずばり「ケルツ」だ!