ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

フリッチャイ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1960)
これもまた遅い第5だ。手元に無いがアナログ時代聴いたフルトヴェングラー最晩年の第5がクレンペラー並に遅いと言われていたが、そのぐらい遅い。ネット上でもクレンペラーが引き合いに出されているので、第5の中では最も遅い部類に入るだろう。例外は第4楽章で、最初は遅いがラストでは通常のテンポ、つまり持続する弱いアッチェランドが気づかないうちにかかっているということ。
しかし、この人のことを言う時にいつも使う言葉なので恐縮だが、ていねいな演奏で、一種第5のお手本のような演奏である。かといって教科書的な無味乾燥というのでは勿論無い。第5で人が感動するための典型的な演奏といえる。そして、それが実際には大変難しいと言うことも事実。
第5については47年フルトヴェングラー指揮活動禁止解禁コンサートがやはり私の中では1番になるが、折に触れフリッチャイも聴いて行く事になると思う。
ちなみに1961年のライブ録音があるらしいが、現在入手不可。こちらはさらにすごいらしい・・・