モーツァルト ピアノ協奏曲第27番

フリッチャイ指揮 バイエルン国立管弦楽団(1957)
ピアノ クララ・ハスキル
この曲は実ははじめて聴く。モーツァルト死の年の最後のピアノ協奏曲である。死の年だけあって、一見いつもの長調の協奏曲のようでいて、さりげない複雑さに満ちている。長調と短調がめまぐるしく変るがあくまで自然である。すべての楽章が長調なのにも関わらず、印象に残るのはやはり短調の部分で、いわゆる「白鳥の歌」的な雰囲気がある。モーツァルト最後の境地であろう(それは、クラリネット協奏曲や「魔笛」にもいえるが)演奏は20番の時の感想とかわらず、素晴らしいが、やはりモノラルが惜しい。