世界一やさしいオペラ入門

今時なんとまあ奇特な番組を、と思ったら、何のことは無い、来日するドレスデン国立歌劇場の宣伝番組だった。しかし、これでオペラに親しみを持つ人が増えてくれればよしとしよう。
いきなり、「あなたも一度は耳にした事があるオペラ」で取り上げられた曲がイタリア系(非ドイツ系)ってのはいかがなものか。オペラはドイツ系とイタリア系(フランス系も含むので非ドイツ系としたいところだが)に大別され、歌手も歌劇場もほとんどが2分され、このふたつをまたいで歌う歌手や上演する劇場は少ない。しかし、今回来日するのはばりばりのドイツ系なんだが。またやたらと「世界最高峰」と連呼するのは誤解を招くのではないか。
今回上演される「タンホイザー」「ばらの騎士」「サロメ」を昼メロ風に紹介したのはなるほど、と楽しめた。元々はモーツァルトの頃は王侯貴族の楽しみだったが、それ以降は(裕福とはいえ)民衆の娯楽なのだから、面白くないものは客が入らない。歴史にも残らない(ただし、客が入っても芸術性が低ければマイヤベーヤのように忘れさられるが)それこそドラマの視聴率が悪かったら打ち切られるようなものなので、芸術だなんだと堅苦しく考える必要は全く無いのだ。(でもはまってくると、芸術的楽しみも湧いてくるのだが)
今回「ばらの騎士」のゾフィー役が日本人の森麻季とのこと。知らなかったが、すごいな。昔から海外の一流オペラに日本人も出演はしていたが、髭や大きな帽子で顔が隠れる役とか、録画予定の舞台だと、アップのときにわざわざ後ろを向かされるなどの扱いだったが(まあ、いきない東洋的な顔立ちが出てきたら違和感があるのはしょうがない)このレベルの容姿の人が出てくれば、そういう心配もない。37才には見えんな。
その「ばらの騎士」が一部放映されたが、18世紀の設定を20世紀前半に移し変えているようだ。注意が必要。
しかし、舞台、衣装、移動費、その他もろもの、経費がかかるのはわかっているが、オペラは高いな。