Gong

"Gong"(ゴング)というバンドは、そもそもはソフト・マシーンの創設メンバーであるデヴィッド・アレンが「楽器の出来ない人も参加できるバンド」を目指して作った、ヒッピー的コミューンの性格をもつバンドであった。そこにだんだん楽器のうまいメンバーが集まりだして、レディオ・ノーム3部作でそれが頂点に達するわけだが、その時点でデヴィッドが脱退(創設者である彼が脱退と言うのもよくわからん。解散でなくて脱退というのは、レコード会社とのからみとかがあったのだろうか)その理由がまさにデヴィッドの真骨頂でふるっている「バンドがうまくなりすぎた」
ところが、私にとってのゴングと言うのは、そういうコンセプトとは無関係に、スティーブ・ヒレッジの在籍したバンドであり、デヴィッドとヒレッジ脱退後ピエール・モーランが立て直した後に、アラン・ホールズワースの参加したフュージョン化したバンドであった。また、興味を持った頃はデヴィッド在籍時のアルバムは、レディオ・ノーム3部作のラスト"You"以外、入手しづらい状況だった。
先日、ある(デヴィッド・アレン在籍時の)ゴングファンの方がホールズワース参加のアルバムを普通のフュージョン・バンドになってしまったと嘆いているのを見かけて、「あれが普通のフュージョン!?」と、びっくりしたものだが、今は、前後の事情もわかってきたので、デヴィッド・アレン在籍時のファンにはそう聞こえるのだな、と思うようになってきた。ようつべなどみるとデヴィッド(と奥さん)はなかなかぶっ飛んだ感じでステージを右往左往していて、けっこうツボである。いずれはちゃんと在籍時のアルバムを入手したいものだ。