「フィガロの結婚」(1949)

ローター指揮,ベルリン国立歌劇場管弦楽団
オペラのLDを焼くぞ!シリーズ!
DVDでも出ているようだが、これは実はオペラでは無い。ちょっと特殊な「オペラ映画」である。どういうことかというと、伯爵とフィガロ以外は、画面上の演者と歌い手が違うのである。いわば口パクである。当時はオペラの大衆化のために、この手の映画が良く作られたらしい。よって、映画の尺にあわせるため、かなりのカットがある。いくらなんでも伯爵夫人のアリアのカットは無いだろう、と思ったが、前にも言ったが、重唱はストーリーが進行するがアリアはストーリーが進行しない。話の面白さそのままに2時間以内におさめるにはしょうがないのか。レチタティーボはすべてセリフに置き換わっている。よって、声の低い人がしゃべっていたのが、歌いだすと急にテノールになる、というおかしなシーンにもお目にかかれる。(ちなみに東ドイツ製作のドイツ語版)しかし、映画として分かりやすくするためにセリフや描写に追加があり、そのせいでまた音楽が減っている。しかし、映画俳優が演じる映画としての「フィガロの結婚」は、これはこれで、新たな魅力はある。何よりスザンナが美人さんだ(笑)
これを買った当初、そういうものめずらしさもあったのだが、別の興味もあった。フィガロを当時の名バリトン ヴィリー・ドムグラフ・ファスベンダーが演じかつ歌っているのだが、実は世界最強のズポン役のブリギッテ・ファスベンダーが、なんとこの人の娘なのだ。そして、母親が女優のザビーネ・ペータースで、なんとこの映画の伯爵夫人の演技担当で、夫婦して(いつ結婚したのかは調べても良くわからないが、ブリギッテが1939年生まれだからこの映画の時は夫婦だったであろう)この映画に出ていたのだった。(スザンナじゃないからいいのか?)ブリギッテは全体的に母親似であるが、父親がまたハンフリー・ボガート並みのフェロモンの持ち主で、ブリギッテは多分いいとこ取りだったのだろう。まさにサラブレット。
旦那はこっち
ttp://www.cantabile-subito.de/Baritones/Domgraf-Fassbaender__Willi/hauptteil_domgraf-fassbaender__willi.html
奥さんはこっちの下のほう"SABINE PETERS"で検索すると早い
ttp://www.cyranos.ch/doppel27.htm
娘はこちら(なかなかちょうどいいのが無いな)
ttp://sopranos.freeservers.com/brigpic2.htm

さすがに古いので、出演者で知っているのはスザンナの歌唱担当の、エルナ・ベルガーぐらい。この人は、フルトヴェングラーの「ドン・ジョヴァンニ」(1954)でツェルリーナを(54歳と言う年にもかかわらず)可憐な美声で演じていた。