炎立つ 高橋克彦

久々に読んでいるが、4巻(第2部)から読み始めた。第1部の主人公藤原経清の遺児清衡が、母が父の敵である清原家に再嫁したため、母と共に藤原と安倍の再興を胸に秘めつつ清原として育っていかなければならない苦労。そして、父の敵ながらも、互いに認め合っていた源義家に会い、義家によってほどんど記憶に無い父の雄姿にやっと触れる事ができて涙する。こちらも貰い泣き。で、その後第3部まで読んだらやっぱり第1部から読み直し始めてしまう。
第3部は、これまで暗愚というのが定説の秀衡の息子の泰衡を、陸奥を真に救うためにあえて汚名を着た名将として描き、加えて現在でも差別意識をもたれる東北のアイデンティティの回復までもくろんだ、東北人なら涙無しには読めない傑作である。勿論第1部からすべて素晴らしいのであるが。
で、シンクロニシティなのか、今年大河ドラマの「炎立つ」のDVDが発売されたようだ。実はこのドラマ、原作の遅れから第3部は原作とかなり違っている。放映当時は、高橋さんの大河だ!と毎週楽しみにみていたのに、第3部でありゃりゃ〜となってしまったのを思い出す。もしこれが原作どおりにドラマ化されていたら、無理してでも買ったんだがなあ・・・・1部と2部だけでもなんとかするかなあ。っていうか、第3部だけ撮影しなおさないかなあ(無理だっちゅうの)