摩耶の葬列 異色長編傑作選

一条ゆかり
古本屋で見つけた文庫。
1972年「りぼん」はとんでもない企画を打ち出した。A5版とはいえ、半年の間、毎月同一作家に128ページの別冊付録を書かせると言うものである。白羽の矢が立ったのが一条ゆかり、作品は
春は弥生 4月号
クリスティーヌの青い空 5月号
おとうと 6月号
摩耶の葬列 7月号
雨のにおいのする街 8月号
9月のポピィ 9月号
のちに2作品づつコミックスにもなっている。驚異なのは、すべての作品のジャンルがかぶらないと言うこと。本人も今まで書かなかったジャンルに挑戦して、6作品をすべて別ジャンルにしようとした、というからたいしたものだ、上記に収録されているのはこのうち「おとうと」「クリスティーヌの青い空」「摩耶の葬列」せっかくだから残りの3作品も出版して欲しい。「雨のにおいのする街」は以前にチラッと書いたけっこうトホホのSFだが、若い頃読んだものはやはり思い入れがある。(こちら