ブルックナー 交響曲第5番

レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団(1983-1984)
基本的にはやはり他と同じすっきりした早めのブルックナー、第4楽章の小気味のいいスピード感はレーグナーならでは。
今まで漠然と彼はブルックナーを全て録音していたと思っていたのだが、どうも4〜9番までらしい。その理由はずばり東ドイツの崩壊である。ベルリンの壁の崩壊は世界史に残る快挙ではあるし、共産主義の悪いところもちゃんとわかってはいる。が、反面コンヴィチュニーやこのレーグナーのような、大衆にこびない芸術至上主義的な演奏の録音は共産主義社会で無いとありえなかったかもしれない。何にせよ3番が録音されなかったのは残念だ。あとは9番の再発を楽しみに待つしかない。