椿三十郎(1962)

というわけで、何十年かぶりに見る。どうしても「七人の侍」や「用心棒」よりは娯楽作品の度合いが高いという意識があって、なかなか再び見ようという気にならなかった。
のっけからの早い展開が見事だ。原作の飄々たる主人公を「用心棒」の椿三十郎におきかえ、その分原作の主人公の味は小林桂樹の役に移して残してある。原作の家老の妻と娘ののんきさも残っているのがうれしい。と、ここまで書いてウィキペディアを見てみたら、そもそも小林桂樹を主役の念頭においた原作どおりの脚本に上層部が難色を示し、「用心棒」の続編を求められた黒澤がその脚本の主人公を椿三十郎にして書き直したとの事。な〜んだ、思ったとおりか。しかし娯楽作品としては一級品だな。
「隠し砦の三悪人」もリメイクされるとの事だが、マンガの実写化も底が付き、いよいよ映画界はネタ切れということか。


ちなみに、以前カストリ焼酎で失明する人のドラマの主役の名前がわからないという話を書いたが(こちら)「椿三十郎」の家老役の伊藤雄之助のような気がする。が、調べてみたがはっきりしない。違うのかな。