ブルックナー交響曲第6番

朝比奈隆指揮 東京交響楽団(1984)
ブルックナーファンを自称しているが、この6番はなかなか聴かない。最初に聴いたとき(インバルだった)第1楽章の第1主題がまるで安っぽいハイウッド映画のテーマ曲みたいに聴こえて、それ以来偏見を持ってしまったためだ。
しかし、こうして聴いてみると、愛らしさと優美さではブルックナーの交響曲中1,2を争う曲だという事がわかってくる。しかし、その分4番にも共通する底の浅さも見え隠れするのであるが。
うがった見方かもしれないが、ブルックナーが当時成功をおさめたのは7番からだった。もしかしたら、この6番は大衆受けを狙った作品だったかもしれない。そしてその路線と彼の本質のバランスがうまく取れたのが次の7番で、そのおかげではじめての成功を収めたのかもしれないな。