黄金の鍵 墨野隴人シリーズ

高木彬光
ふと思いついてまた読み返し始める。全5作のシリーズの落ちは覚えているが内容はほとんど忘れている。今回書くのはミステリーとしての内容のことではない。
冒頭部分にクラシック喫茶が出てきて、そこでは週に一度「MM0」によるコンサートが行われるという。 「MM0」とは「ミュージック・マイナス・ワン」の意味で、いわばクラシックの独奏者用のカラオケのレコードである。音大生等将来のソリスト志望の人の練習のために発売されていたようで、小説でもそういった人達の演奏を聴かせるのがそこの喫茶店の売りだ、という設定。(この時はベートーヴェンの皇帝協奏曲)時代は昭和44年を想定しているようだが、その時代にそんなレコードが売られていたのだなあ、とちょっと感慨深い。調べてみたら、今でも通販等でCDが売られているようだ。