リスト ピアノ協奏曲 第1番 第2番

ピアノ クラウディオ・アラウ
コリン・デイヴィス指揮  ロンドン交響楽団
ロマン派というのは、音楽が貴族のものから(金持ちではあろうが)市民のものになった時代である。レコードやCDが無い時代だから聴衆もそうそう聴き直しができない。おのずと、超絶テクや、キャッチャーなフレーズ等、1回聴いても、そのすごさが伝わる曲の方が受ける。その分どうしても底が浅くなったりする。
もしロマン派の音楽がそうであるなら、このリストと言う人は典型的なロマン派の作曲家といえるだろう。しかし、たぶん本人もそこらへんは良く分かっていたと思う。晩年は印象派や無調の先取りや、難解な宗教曲を書いたりしていて、実は本質的にはそういうほうをやりたかった人なのかもしれない。なので、実はその頃の曲の方に興味がある。
1番は大仰なテーマといい典型的なリスト的作品だが、その分楽しめることは楽しめる。本当はリスト弾きであるアルゲリッチで聴きたかったが、彼女は2番の録音が無く、本当の目あては2番だったので、今回は見送った。
リスト自身が「交響的協奏曲」と呼んだ2番は、より内省的で(たぶん)晩年のスタイルを示唆しているのだろう。こっちの方が好みだが、ラストはやはり大仰だな。