ひそやかに影はささやく

モンゴメリ
これも「影の谷を超えて」と共に元は1冊で、いわゆるテーマ別編集のシリーズで、テーマはたぶんオカルト(とミステリーもしくは犯罪)モンゴメリは牧師の妻でありながら、キリスト教の範疇を超えた、一種ケルト的超自然思想をもっていた、というのは私の持論だが、いわばそういった作品群を含む。とはいえモンゴメリのこと、決してホラー的なものではなく、既におなじみの「アンをめぐる人々」の「へスターの幽霊」のようなタイプである。
どうもこういった作品が、モンゴメリ的範疇ではないみたいな書き方をしているサイトもあるが、「へスターの幽霊」を「アンをめぐる人々」に収録した事でもわかるように、モンゴメリにとってけっして異質のジャンルではないという事は言っておきたい。
なお、ネタバレになるのでタイトルは書かないが、かなりよくできたオカルトミステリーが1編ある。しかしテーマは「無条件の愛は人を救う」であるところがやはりモンゴメリである。