影の谷を超えて

モンゴメリ
前回、テーマの一つが「犯罪」と書いたが、どちらかと言えば「罪への赦し」かもしれない。
敬虔なキリスト教信者の顔をしていながら「七の七十倍まで赦せ」という教えを守りもせず、裁きと中傷に満ちた人々、そこからは何の救いも生まれてこない。そんなテーマが全体から浮かび上がってくる。
「ジョン・チャーチルのつぐない」は少年の純粋な愛が、前科者の父親を救う話で、ラストは泣いてしまった。