ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」

シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団(1955)
シューリヒトの発掘音源シリーズを買おうとしたらもう輸入盤でしか手に入らなくなっていた。
私の記憶が正しければシューリヒトの「ロマンティック」は今まで音源が無かったはずだ。否が応にも期待は高まる。
しかし期待以上の出来だった。わたしは散々「ロマンティック」は内容が浅いなどと書いたが、シューリヒトのようにやれば全然そんなことが無いことがよくわかった。他の指揮者は何をやっているのだ。
私が、音楽として成り立ちにくいと言った第1楽章は、シューリヒトのようにすっきりしたテンポでやればちゃんと成り立つのだ。聴かせるところはたっぷりしてるし、相変わらずのニュアンス付けも天才技でる。
一転して第2楽章は若干ゆっくり目のテンポであるが、他の指揮者が勘違いしてゆったりと演奏してだれる部分は、逆にあっさりと通り過ぎるところがいかにもシューリヒト。スケルツォも同様。
フィナーレはやはり若干遅めのテンポの堂々たる音作りだが、ところどころさらにテンポを落とす。普通ブルックナーでこういうことをやったら台無しになるのだが、さすがにシューリヒトは新しい魅力として聴かせる。
私にとって「ロマンティック」第2稿のベスト盤か?この間の朝比奈さんのN響やクナ(ウィーンフィル盤、ベルリンフィル盤)を聴きなおしてみないと。

付記、1963年 スイス・ロマンド管弦楽団 の音源があるそうだが、入手できるかは不明。