悲しみは早馬に乗って(2008)

ドロシー・ギルマン
ドロシー・ギルマンを執筆順に読むということで、出版は最新だが、日本の独自編集のギルマン最初期の短編集である。
内容的には、一風変わったハートウォーミングや少女の心の成長の物語、スリラーに童話とバラエティに富んでいる。一風変わった、というのは例えば表題作は、夫の突然の死に呆然とした妻が、何を思ったのか夫の生命保険金を使って幼い息子二人を連れ、世界一周の旅に出、あげくにペルシャ(出た!ギルマンお得意の中近東(笑))で山賊に襲われる(爆)
スピリチュアル色、オカルト色がほんのわずかだがある作品も見受けられ、ニンマリする。
気になるのは翻訳者の柳沢由美子が解説で、ギルマンの翻訳もこれで最後みたいに書いていること。
私の知ってる限りギルマンの未訳作品はまだ6冊残っているはず。翻訳するほどもない作品なのか、版権の問題なのか、よく分からないが判然としない。
ちなみに、ウィキペディアでドロシー・ギルマンはニュー・ブランズウィック生まれ、とあった。何〜!カナダか〜!?と思ったら、ニュー・ジャージー州に同名の都市があったのだった。
私にとってはニュー・ブランズウィックといえば「アンをめぐる人々」の「偶然の一致」のセシル・フェンウィック(劇爆)