マーシーの夏(1951)

ドロシー・ギルマン
ギルマンのジュニア向け時代の第3作
マーシーは個性豊かな下宿人が住む貧乏下宿屋の娘。
ひょんなことから、亡くなった元住人、人形作りのおじいさんが残した人形を使って、下宿じゅうで人形劇をやることに・・・・
サーカス、ボードビル、人形劇、ギルマンの好みは明らかだな。
前作までもすべてそうだが、全くの赤の他人が家族のようになるというシチュエーションも共通している。
すべての人々の魂の成長ぶりがここちよい作品。
マーシーの母が語る次のせりふは、なかなかに深い。
「突然の成功はよくないの。だから、たいていの本は成功や幸せの頂点で終わっているのよ。そのあとなにが起きたのかを書くのは怖いことですからね」