テイル館の謎(1999)

ドロシー・ギルマン
ミセス・ポリファックス・シリーズ「〜ヨルダン・スパイ」(1997)と「〜シリア・スパイ」(2000)の間に書かれた、ギルマンのノン・シリーズである。
これで、現在邦訳のあるドロシー・ギルマンはすべて読破したことになる。
折り合いの悪い大会社副社長の父の命令で、5年前に父が相続した大叔母の屋敷と土地を調べる事になったアンドリュー、着いてみるとそこには不法に生活する人々がいた。
他人どおしが家族のように暮すというのはギルマンおなじみのパターン。
やはりニューエイジ的癒しと救済がテーマで、一般的にはご都合主義ととらえられかねないシンクロニシティ満開。
しかし、ミステリー顔負けの伏線の巧みさは圧巻。これも傑作だな。
ギルマンは事実上引退状態だが、まだまだこういう作品を書いて欲しいものだ。あと「伯爵夫人は超能力」シリーズの続編も。