オッド・ジョン(1935)

オラフ・ステープルドン
古本屋で自分の目を疑った。現在は多分入手不可のステープルドンの作品が、通常の古本の値段で売っていたからである(文庫ではなく、ハヤカワの新書版1967年発売!(笑))
シマックのサンリオ版「マストドニア」は数千円のプレミアが付いていたのを見たことがあるのに・・・・(シマックも現在ほとんど入手不可だが、なんとかならんものか)
こういうお宝があるから、古本屋巡りはやめられない。
スペース・オペラ全盛期に、思索系のSF作家として異彩を放ち、後年へ多大な影響を及ぼした人で、昔から読みたいと思っていたが、長らく入手不可なのだった。
内容的には、突然変異的に誕生した一人の「超人類」の少年の誕生から死までを通して語ることによる、異質なものの視点からの「人類批評」で、ある意味ハインラインの傑作「異星の客」(1961)の先取り、かつある意味クラークの「幼年期の終わり」へもつながる。
のちのエスパー物のSFが提示してきた諸問題を、既にほぼ網羅していた、といっても過言ではない。

ステープルドンは他にも「最後にして最初の人類」(1930)「スターメイカー」(1937)といった傑作が入手可能だが、単行本なのでえらくお高い。

ちなみに、裏表紙に小さく原書の表紙が載っていて、確かに作品中の主人公の姿の描写どおりのイラストなのだが、それこそネプチューン名倉にしか見えん(劇爆)奥さんは「さかなくん」だと言う。下記を参照。
ttp://davidszondy.com/future/man/odd_john.htm