暗黒星雲のかなたに(1951)

アイザック・アシモフ
先日「オッド・ジョン」を読んで、久々にSFに戻りたくなった。フレドリック・ブラウンの長らく絶版だった「天の光はすべて星」が二十数年ぶりの再販ということで、ブラウンのSFで唯一未読だったこの作品を読む手もあったのだが、読み慣れたもの、かつ、内容を余り覚えていないもの、が読みたくて、結局「暗黒星雲のかなたに」を読み返す。
アシモフの事実上の初長編で、舞台は一応「銀河帝国興亡史(ファウンデーション)」の前に(後付けで)組み込まれているが、独立作品として見たほうがすわりはいい。
すでにお得意の「SF・サスペンス・ミステリー」色満開で、新人が受け入れられるためもあろうが、深みは同時期の「宇宙気流」に一歩ゆずるものの、面白さからいったら読み応えは抜群である。(ただし、落ちは興ざめだが(笑))
また、アシモフ作品全般に言えることだが、地球の運命、宇宙の運命等が、あまりにも数少ない人間関係にのみ依存しているのは、不自然といえば不自然。しかし、そのおかげで、彼の作品が読みやすくなっているのも事実。
ファウンデーション+ロボット」シリーズをまた読み返そうかな。
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