若き日の摂津守

山本周五郎
短編集「日日平安」に収録されている。代々奸臣により牛耳られてきた為、藩主は無能であればそれでよし、有能であれば主人公の兄のように押し込められてしまう。
主人公の乳母はそれを逆手にとって、子供の頃(7歳!)から主人公に知恵遅れを装うようにしつける。主人公もそれが倣いになってしまうところが何とも切ないが、その分ラストは感動的で、山本周五郎作品の中でも、読み返す回数が多い作品だ。
だぶん同様の話は昔からあるだろうし、時代劇でもよくありそうだ(この作品も2回ドラマ化されている)珍しいところでは川原泉の「殿様は空のお城に住んでいる」も設定が近い。