サミュエル・R・ディレイニー

たぶん死語だろうが、いわゆる1960年代以降のSFニュー・ウェープの代表的作家であるディレイニーは、「バベル‐17」(1966)や昔図書館で借りた「プリズマティカ」(「エンパイア・スター」を含む)しか読んだことが無く、「アインシュタイン交点」(1967)「ノヴァ」(1968)は未だにつん読状態である。
そもそも「言語とリズム、そして構成にこだわり抜いたスタイルを特徴とし、流麗な文体で美しい光景と深い哲学的思索を描き出す」(ウィキペディアより)作家なので、翻訳者泣かせであろうし、当然それを読む読者泣かせでもあろう。未だに未翻訳がやまほどあるのもそのせいだろう。そんな中、「バベル‐17」がまず翻訳されたのは、ニュー・スペース・オペラ的扱いをされ、比較的読みやすい内容だからだったと思う。
本当は、もっともっと翻訳されて欲しいし、絶版の「プリズマティカ」(現在えらい高いプレミアが付いている)や、サンリオSF文庫から出ていた何冊かも創元あたりが買い取って是非出してほしい。「プリズマティカ」収録の「エンパイア・スター」はどうしてももう一度読みたい(サンリオからは単独で出ていたようだ)
さて、そのつん読状態だった「アインシュタイン交点」と「ノヴァ」にそろそろ挑戦せねばなるまい、とは思うのだが。
そういえば、ル=グウィンのSFもアニメになった時再発されなかったなあ。あれはファンタジーだからSF作品の再発には無関係だったのか!?