ヴェルディ 歌劇「椿姫」

トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1946)
例のトスカニーニヴェルディボックス。
「オペラ名作名演全集」という1995年文庫書き下ろしの分厚い本がある(松本矩典著 協力:佐川吉男、片倉康行)
オペラの紹介文のあと、松本氏と佐川氏 or 片倉氏の、それぞれの推薦映像、推薦音源が載っていて、LD時代オペラを買い漁った頃、随分参考にした本だが、 トスカニーニの「椿姫」について片倉氏が「これを凌ぐものはいまだにない」と書いているのを見て、いつかは聴いてみたいと思っていた演奏である。
序曲の段階でいきなり引き込まれる。NBC響の予想以上の素晴らしさもさることながら、ボリューム・コントロールが絶妙である。ボリューム・コントロールが曲の演奏に重要であることはわかってはいたが、これほどまでに効果的に使用された例を他に知らない。流麗な演奏とは対極にあるが、鮮烈な印象を残す。
本編が始まると、その完璧なアンサンブルに唖然。これなら片倉氏が絶賛するのもわかる。
しかし、オペラの歌を満喫する、という目的には適さない演奏であることは確か。主役も弱いし。

この演奏のゲネプロを収録したCDがまた凄いらしい。うーん、聴きたい。